13 Coco

「ココさん!」


リツが店に飛び込んできた。


「おはよ」


「何された!?大丈夫?」


「大丈夫だよ」


私はリツに、トールにしたのと同じ話をした。


「ソイツぶん殴りてぇ」


「泣いて土下座してたから許してやってよ」


「今度から、何かあったら俺に連絡して。すぐ行くから」


「だってあなた日本にいないじゃない」


「今はいるでしょ」


「大丈夫よ、もしもの時は夫が来てくれるし」





あ、地雷踏んだ…





リツがフリーズしてる。


「えっと……リツ?」


やっちまったなー……。

どうしよう、何とか話題を変えないと。


「そろそろ湿布の貼り替えだから、手伝ってくれる?」


ソファに座り、包帯を巻き終えてリツが言った。


「ココさん」


「なに?」


「ココさんは分かってないよ」


「なにが?」


「俺がどれだけ…」


リツが言ってしまう前に、私はリツの手を取って立ち上がった。


「ありがとう、リツ」


私はリツをぎゅっと抱きしめた。

私に出来る精一杯だった。


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