12 リツ

うとうとしていた俺の耳に、LINEの着信音が入ってきた。


ん?トール?


俺は飛び起きてトールに電話した。


「襲われたってどういうことだよ!」


「リツ?どしたの?」


「怪我ってなんだよ!」


「落ち着けって。大丈夫そうだったから」


「何処で会った?」


「病院だよ、店の近くの」


脱ぎ捨ててあった服を急いで着る。


酔っぱらいって誰だよ

襲われたってなんだよ

何処で?店で?

手首って

縛られた?

何されたんだよ!!


「どうしたの?」


「俺の…大事な人が…」


「大事な人って誰よ!」


俺は彼女の声を背に受けながら部屋を飛び出した。




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