メタモルフォーゼ


 互いの吐き出す息は熱くぶつかり合う。

 冷えた外気が嘘のように、汗ばんだ俺の胸とお前の胸がぺっとりと、まるで溶けるように張り付く。

 このまま抱き合って、ひとつになってしまえば、どんなに心地良いだろうか。


 このまま一夜、抱き合っていても、朝日が昇る前にお前が俺の部屋を出ていくのは分かっているのだから。

 いつかお前が俺だけのものになればいいのに。

 いつもそう願うだけ。

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