皇國の防戦記

第32話 左翼部隊、攻撃準備

「よォし、右翼がだいぶ頑張ってるな・・・全然こっち側に敵が居ねえぞ」

城塞内に侵入したグレン達、左翼第二部隊には二つの任務がある。

１、壁上火砲陣地による脅威の駆除

これは壁上砲の破壊するか、または砲兵を残さず始末すること。

２、正面城門の開放

メインの任務は、むしろこちらの方だ。

城門さえ開放すればほぼその時点で勝負は決まる。

敵は当然それを妨害するために出張ってくるものだと考えていたが・・・

「すげえなブラドは、まさかここまで上手くいくとは・・・」

ガランが第一部隊の手際に感嘆する。

「ガラン、同期だからって他所の隊長を呼び捨てするな」

「分かったよ、隊長」

無駄話を他所に、第四中隊長のソフィアが案を出した。

「グレン、ここで隊を二手に分けましょう。」

「ええ、そうですね・・・私は６００連れて下の門をこじ開けます。ソフィアさんは残りを率いて壁上砲の破壊、及びブラド隊の援護に回ったください。」

「え？・・・そっちが少なすぎない？」

「問題ありません、アイラを連れて行くので」

「俺らはどっち行くんだ？」

ガランが尋ねる。

「ガランは援護部隊に回れ、ヴォルゲン、アイラ、エリアは俺と行くぞ。残りは全員をガランに任せる。」

｢分かった｣

「頑張ってね、グレン」

「私は毎日、頑張って生きてますよ・・・」

上下に部隊を分け、それぞれの標的に向け進んでいく二隊。

さあ、二人は役割を果たせるのだろうか？・・・