カルト「鼻クソ教団」ができるまで ── 鼻クソ量産史(3)
十数年後には世間を騒がせることになる「奇妙な熱狂」の発端は、あるひとりの大学生から始まった。それは紀大よりも1歳年下の男子学生だった。要するにおなじ大学の後輩である。
ひとの前でもかまわず鼻クソをほじっては口に含んでもぐもぐやってみせる紀大の仕草ひいては生き様にシビれたのだった。奇人への憧れはやがて崇拝にまでエスカレートしていった。紀大のものまねをして自分の鼻クソを食べるだけならまだしも、ついには紀大のほじりたての鼻クソを所望するほどにまで至った。
驚いたのは
いかに
先に述べたように、公衆の面前にもかかわらず鼻クソをほじってはそれを乾かぬうちに口に放り込むような紀大だったが、生真面目なところがあった。元手がタダ同然である自分の鼻クソを譲るくらいで5万円も貰ってしまっては申し訳ないと考えて──一週間分の鼻クソを溜めに溜めて、くだんの狂った後輩氏に差し出してみせた。
この当時からである。いかに効率良く鼻クソを生成するかのノウハウを
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