鼻クソ店主、大いに語る。その2(雑誌インタビューから転載)

 Q. 料理に鼻クソなんて使えるんですか? 衛生面が心配です


 A. 長期間塩蔵するからたぶん細菌は死滅しているはずと思います。

 たとえばうちの名物の『麻辣婆鼻糞豆腐』は、鼻クソ混じりの豆板醤を惜しげもなく使った料理です。豆板醤に鼻クソを混ぜるといっても、わたしが料理しながら鼻クソをほじってそれを混ぜるているわけではありません。

 豆板醤に混ぜ込んでいるのは、例の教団が「秘薬」と称して貯蔵していた「鼻クソの塩漬け」です。この塩蔵鼻クソを3日間かけてじっくり塩抜きしたものを本場中国の四川省から取り寄せている豆板醤に混ぜ込んで、それをさらに1年間寝かしたものを当店では調味料として使っています。塩漬けで10年。唐辛子で1年。合計11年分の殺菌と発酵をおこなった鼻クソなので人体に悪さをする細菌やウィルスは死滅しているはずかもしれないでしょう。

 現に、うちが開店してからお客さんが食中毒になったって話は一度も無いです。先月はテレビのお散歩番組の取材も受けました。有吉さんも生野アナもおいしそうに召し上がっていました。

 鼻クソに抵抗があるのはわかりますが──考えてもみてください。たとえほじりたての鼻クソを食っても死ぬことはきわめてまれでは? 当店自慢の『麻辣婆鼻糞豆腐』は要するに麻婆豆腐ですから火を通して作っています。鼻クソに対する偏見はとりあえず横に置いて、どうぞ安心して召し上がってください。

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