希望の珠4 追いかけっこ
陽子と共に地下大阪城へ戻った里見。
里見「ただいま」
犬坂「おかえり。おや犬塚さんは?」
里見「戦闘開始の直前に呼べって。タルナーダさんはやる気なし」
犬坂「そうですか。」
里見「朝になったら親方も呼ぶね」
犬坂「はい。ところで味方につけた狼男にまぎれて、
枕返しと呼ばれる小鬼が居たようです」
里見「枕返し?」
犬坂「城の落下扉を押し上げた妖怪です。
富士山の敵本拠地から来たようです。」
里見「何か知ってた?」
犬坂「富士山地下は底なし・広大で無事にたどり着けても妖怪だらけだと。」
里見「なんか地獄みたい」
犬坂「人は居ないらしいです。閻魔大王も。魔界と言った方が近いかも。」
里見「乙姫はどこに居るか知ってた?」
犬坂「いえ、知りませんでした。自分は玉梓に頼まれたんだと。」
里見「たまずさ?そいつがボス?」
犬坂「そのようです」
里見は犬塚にもらった装備を犬坂に預けた。
犬神が復帰したら渡してほしいと。
犬神は病院で狛ちゃんに守られている。
大阪城の守りには狼男達が加わった。
■
夜明けと共に東犬に電話する。
里見「親方、珠転送で地下大阪城に来てください。」
東犬「わかった」
電話は天邪鬼により妨害されている。
「大阪城には来ないで」と伝わった。
またも、いつまで待っても東犬が来ないので犬坂は不審に思う。
犬坂「里見ちゃん迎えに行った方がいいかも、敵かも」
里見と陽子が東犬の元へ転送する。
東犬は土俵結界を張ったまま、弟子の朝稽古を見ていた。
里見「親方何やってんすか」
東犬「む?」
里見「来てほしかったのに」
東犬「来るなって言ってなかった?」
里見「来てって言ったの。攻撃されてない?」
東犬「ずっと弟子と閉じこもってたから、わからん。」
陽子「私、外を見てきましょうか」
陽子は東犬に化けるといきなり玄関から飛び出して全力疾走を始めた。
東犬(陽子)「どすこーい!」
派手な陽動。
しかし東犬(陽子)の後を必死で追う鬼が出てきた。
すかさず里見も追いかける。
東犬(陽子)が振り向くと天邪鬼は物陰に隠れたが、
里見からは丸見えだ。
天邪鬼に手錠をかける。
里見「逮捕」
お互いの左手首がつながれた握手のような体勢。
天邪鬼は鬼にしては小柄だがそれでも成人男性よりは大きい。
天邪鬼「ぬりかべ!」
ぬりかべは現れない。
正眼に構えた令和の剣が伸び、腹を貫いたが効果なし。
突然自分を貫いた謎の光から逃れるように一歩下がり、
左腕を払って里見の体勢を前に崩そうとする。
しかし自ら物陰に隠れた事が災いし、
下がりきれないし左腕は壁を叩いただけ。
里見は鬼が動いた瞬間にビームを消し右手を左脇の下、
胴払いの体勢に移っていた。
右腕を引く動きで天邪鬼を上半身と下半身に斬り分け、
左腕も引いて地面に倒すと首を斬って止めを刺した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます