希望の珠3 きびだんご

里見の刀傷は夜が明ける前に癒えたので、

早速ネーバ星の父の元へ転送した。


里見「パパー」


犬塚「ん?里見か?なにがあった?」


里見「乙姫が行方不明になって、私が犬士になった。」


犬塚「そうか」


里見「これ」

手錠を父に見せる。


犬塚「これは?」


里見「ママの形見」


犬塚「そうか」

犬塚は手錠を手に取り、そして里見に返した。


犬塚「ながく生きればまた会える」


里見「まだ乙姫が行方不明なの。手伝って」


犬塚「手伝うが、戦いが始まった時にまた呼びに来てくれ」


里見「忙しいの?」


犬塚「ああ、少し武装を譲るから持って行きなさい」

そう言って鎧、弓矢、暗視サングラス、破魔の笛を渡す。

木刀は要らないと言われた。



次は陽子の元へ。

里見「陽子さんですか?」


陽子「あら、いらっしゃい」


里見「里見と言います。地球で妖怪がまた出たんです」


陽子「まあそれは大変ね」


里見「妖怪退治を手伝ってほしいんです」


陽子「私戦いは苦手なんだけど」


里見「そうですか」


陽子「まあいいわ、転送先くらいにはなれるから。行きましょう」



タルナーダにも会う。

陽子「お久しぶりです。」


タルナーダ「めずらしいな」


里見「あの、私、浜路里見と言います。」


タルナーダ「浜路さん?聞いたことがあるような」


里見「ええっと犬塚と浜路の娘です。犬士です。」


タルナーダ「へー。」


里見「妖怪退治を手伝ってもらえませんか?」


タルナーダ「!狼男とか?」


里見「いえ、主に日本の妖怪なんですが」


タルナーダ「なんだ。悪いけど何かメリットが無いとやる気と言うか

今一つ戦意が湧かないんだよ」


里見「ええ?」

考えてもみなかったがタルナーダは乙姫とは縁遠く、

戦意や殺意が湧かないのは当然の事だった。


平和に暮らしている者に善意だけで命を掛けろとは言えなかった。

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