希望の珠3 きびだんご
里見の刀傷は夜が明ける前に癒えたので、
早速ネーバ星の父の元へ転送した。
里見「パパー」
犬塚「ん?里見か?なにがあった?」
里見「乙姫が行方不明になって、私が犬士になった。」
犬塚「そうか」
里見「これ」
手錠を父に見せる。
犬塚「これは?」
里見「ママの形見」
犬塚「そうか」
犬塚は手錠を手に取り、そして里見に返した。
犬塚「ながく生きればまた会える」
里見「まだ乙姫が行方不明なの。手伝って」
犬塚「手伝うが、戦いが始まった時にまた呼びに来てくれ」
里見「忙しいの?」
犬塚「ああ、少し武装を譲るから持って行きなさい」
そう言って鎧、弓矢、暗視サングラス、破魔の笛を渡す。
木刀は要らないと言われた。
■
次は陽子の元へ。
里見「陽子さんですか?」
陽子「あら、いらっしゃい」
里見「里見と言います。地球で妖怪がまた出たんです」
陽子「まあそれは大変ね」
里見「妖怪退治を手伝ってほしいんです」
陽子「私戦いは苦手なんだけど」
里見「そうですか」
陽子「まあいいわ、転送先くらいにはなれるから。行きましょう」
■
タルナーダにも会う。
陽子「お久しぶりです。」
タルナーダ「めずらしいな」
里見「あの、私、浜路里見と言います。」
タルナーダ「浜路さん?聞いたことがあるような」
里見「ええっと犬塚と浜路の娘です。犬士です。」
タルナーダ「へー。」
里見「妖怪退治を手伝ってもらえませんか?」
タルナーダ「!狼男とか?」
里見「いえ、主に日本の妖怪なんですが」
タルナーダ「なんだ。悪いけど何かメリットが無いとやる気と言うか
今一つ戦意が湧かないんだよ」
里見「ええ?」
考えてもみなかったがタルナーダは乙姫とは縁遠く、
戦意や殺意が湧かないのは当然の事だった。
平和に暮らしている者に善意だけで命を掛けろとは言えなかった。
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