ヒーロー15 斬首
里見は茨木童子の目を見ないように下を向いている。
その間に茨木童子は警官の拳銃を物色しはじめた。
正気に戻った警官と拳銃の奪い合いになり、
力ではかなわない警官は奪われる前に残弾を使い切る。
パンパンと銃声が響いた事で他の警官も気が付き、
銃を撃ちまくった。
茨木童子は被弾して満身創痍だが、
瞳術を警戒されたのか致命傷とヘッドショットは免れている。
まるで首だけになっても動きそうなバイタリティ。
器用に警官を盾にして暴れ回り、素手で殺し始めた。
■
連射の銃声で警官が正気に戻った事を悟った里見は、
同時に床がフリーアクセスである事を思い出した。
里見は床に穴を開け3メートルビームでフリーアクセス支柱を薙ぎ払う。
数十センチしか床上げされていないが、
それが逆に絶妙に不安定な床を生み、
踏ん張りを効かなくした。
茨木童子の視線が外れたであろうタイミングで、
その頭上にジャンプする。
上を見れば警官が、見なければ里見が止めを刺す。
無傷なら指令室の高い天井にも届くはずの里見のジャンプ力だが、
ポケットに突っ込んで固定した左腕を更に右手で固定してかばい、
痛々しい姿勢となって半減した。
真下の茨木童子を見た。
母が茨木童子の顔に覆いかぶさっている。
里見が頭上から強襲するのを隠すためか、
母の背中に自分ごと斬れと書いてある。
最速で母を胴斬り真っ二つが簡単確実なのだが、
苦しませたくない。
ベストは首。
最速胴斬りのタイミングを逃すと、
茨木童子の手が母の顔を掴んだ。
その腕を斬りたいが腕には他の警官が絡みついている。
悲鳴を上げそうになるが、そんな声は母には聞かせられない。
茨木童子の肩から心臓へ向けて、
母の首もろとも斬った。
母は即死だが茨木童子は違うかもしれない。
着地と同時に茨木童子の首を母の胴体ごと横に斬って止めを刺した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます