ヒーロー4 見えない敵

令和の剣は悪人を善人にする。


少し前、

高校生になった里見に犬坂がプレゼントしていた。

異星人天使のビームサーベル改良版の事である。



犬坂「里見ちゃん、これを護身用に持っていきなさい。」


里見は以前の犬神同様、自分の力を試したくて仕方がない年頃になっている。

夜回りで無茶をするのでは、と皆心配していた。


里見「これは?」


犬坂「異星人のビームサーベルを狛ちゃんと協力して改良しました。」


里見「え?使ったら相手しんでまうよ?」


犬坂「非殺傷モードを追加しています。」


里見「非殺傷?」


犬坂「はい、ビームを研究して分かったのですが。

極限まで効率を求めたらビームは出るのですが、切れなくなりました。

ビームがニュートリノのような透過する素粒子なのかもと仮定しました。」


里見「はい?」


犬坂「そこで雷や大雨の護符の力を付与してみたりしたのですが、

あんまり意味が有りませんでした。普通に切った方が早いので。」


里見「はい」


犬坂「そこでいろいろ護符を試した結果、善人の護符と相性が良かったので

実装してみました。」


里見「善人?」


犬坂「はい、良心を増幅する護符です。元々戦闘には向きませんでしたが、

このビームとは相性がいい。強力な即効性が有ります。」


里見「でも悪いと思ってない人には?」


犬坂「ききまへん」


里見「そうでっか」


犬坂「くれぐれも公務執行妨害しないようにしてください。」


里見「御意」


犬神「令和の剣もう一本ありませんか?」


犬坂「護符を作る儀式に10年はかかります。」


犬神「そうでしたか。いつもご苦労様です。」



ひったくり犯を斬った帰り、

里見が淀川の長柄橋を渡っていると前方一面が一気に真っ暗になった。


里見「あれ?」


電動バイクを止めて、よく前を凝視するが真っ暗すぎて何も見えない。

左右後ろを見た瞬間に暗黒が視界一杯に広がり平衡感覚が狂う。


乙姫『ぬりかべ?』


言った瞬間乙姫が闇に消えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る