ヒーロー3 令和の剣

妙な改造をした暴走族バイクでは、

ノックアウトされた犯人を乗せて逃げる事は不可能。


見捨てて逃げるか、里見を倒すか。

おそらくリーダー役の者が判断するのだろう。


里見が一旦下がったのは相手に考える時間を十分与える為だった。


里見はフルフェイスヘルメットに高級そうなバイクウェアの上下を着ている。

性別が判別出来るほど女性らしく育ってはいない。

話しかけられても応えるつもりも無い。

問答無用ではあるが、もう一度出方を待っている。


すると一番最初に突っ込んできた男が金属バットを持った。

それを合図に皆武器を手に取る。

バイクに乗っていた者も降りて武器を持った。10対1


里見は短い棒を持つ。異星人天使のアレ。


コンビニ駐車場はL型で里見はコンビニ側面の奥に居る。

車が入って来るが、バイクで詰まっているので浅いコンビニ正面側に止まる。

大型トラックは困るだろう。


金属バットの男が今度は先行せず、ちゃんと側面に回り込む。

その間に全員でちゃんと囲む。


金属バット、角材、鎖。

そこそこのリーチだが統一性が無く、その長さがお互いの邪魔をする。

縦に振るのか横に振るのか、せいぜい三、四人が同時攻撃できるくらいだ。

しかしそんな事を考えて武装するならず者はいない。

戦国のやりぶすま、ファランクスではない。


必然的に前後に分かれた。5対1


予備動作がすでに隣同士遠慮しての縦振りになる者が居る。

血気盛んな横振りしそうな者は自然と外側の者限定となり、さらに一歩前に出る。

横振りするつもりの者が下がる事など無いのだ。


囲んで同時攻撃するという暗黙のルールが余計に攻撃を単調にする。

外から中心に向かって。


里見は間合いが詰まる前にヘルメットを脱いで、

どこを見るでもなく自然に立っている。


左端の横振りに対して先制ノールックでヘルメットを投げ捨てる。

やや足元を襲うヘルメットを小ジャンプで躱された。

先制するだけで同時ではなくなる。


左手で投げ捨てる大きな動きには、右手のビームサーベルの振りが隠されていた。

3メートルと言う圧倒的なリーチで薙ぎ払う。


なすすべなく前衛がビームを浴びて苦しみ動きが止まり、倒れていく。

倒れるタイミングの違いに合わせて後衛に切りかかる。


結局単なる一対一と変わらない。

倒れそうな男の体を盾に受け、逆に受け太刀出来ないビームが襲う。


全員倒した。


里見はヘルメットを拾って自分の電動バイクに乗り帰っていく。


倒れた暴走族はしばらくして起き上がり全員が警察に自首した。

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