シークレットウォー8 召喚犬士
ある程度、満州首都に近づくに連れて戦闘は不要となった。
空には戦闘船の代わりに、ドラゴンの背に天使が乗って飛んでいる。
ドラゴンライダーだ。
移動手段、兼護衛としてもドラゴンを使役していた。
無人戦闘船は前線に出払っており、もうほとんど見なくなった。
妖狐は天使に変化し、乙姫と共に空を飛んで首都を目指す。
犬神は護符補給の為にも地下大阪城へ帰還した。
■
満州の首都に潜入するにはパスポートのような身分証が必要となる。
異星人天使達の身分証、それは例の制御棒、ビームサーベルの事であった。
制御棒には持ち主を記憶する領域があり、
書き換えはどうしても出来なかった。
奪った制御棒はすぐ盗難品とばれてしまう。
唯一の抜け道、それは持ち主をタルナーダの下僕とする事だけ。
これ以上先へ進むにはドラゴンライダーと一戦交えるしか無くなった。
■
陽子が単独飛行中のドラゴンライダーを見つけ、その前に姿をさらした。
有名人ミカエルの姿。
ライダー天使が何か言っているが、分かるわけではない。
その間にライダーの上空へ、乙姫が忍び寄る。
そして乙姫の元へ、地上で潜んでいたタルナーダが転送する。
掴みかかって噛みつくが、ドラゴンが仲間を呼ぶ咆哮を上げてしまった。
その間に血を吸われ、ぐったりしたライダー天使にタルナーダが命ずる。
陽子に協力せよ。
タルナーダはミカエル国に置いてきた信の珠へ転送帰還した。
残る陽子はミカエルの姿のままで、あえて増援を待っている。
増援のドラゴンやドラゴンライダーが見えた所で、上空に逃げる。
横ではなく、縦に逃げた。
増援が追尾する、縦に並んだドラゴン。
それを地上で潜むもう一人の犬士、東犬の四股が捉えた。
増援ドラゴン達が最後尾から順番に墜落し地面に叩きつけられる。
東犬は目撃されないよう、その直前で転送帰還した。
陽子は乙姫の元へ転送して墜落から逃れた。
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