移民編5 降臨

珠転送、出来なければ絶望的な状況だっただろう。

まさに神業。


乙姫は一通り偵察を終え、

おそらく最も安全な場所、UFO格納庫に戻っていた。


犬神が珠転送で合流する。

月の裏側、ピラミッド型異星人探査船内。


まずやる事がある。

それはもう一つ珠をここに残す事。

珠転送以外ここに来る方法は無いのだから。


犬神は仁の珠を持ってきていた。

格納庫では宇宙に放り出される危険がある。

船内の奥へ向かった。


乙姫の後に犬神が続く。

全ての扉にはスイッチがあり押せば開く。

月の裏側でロックなど不要、防犯カメラなんて物も無い。


格納庫に近い部屋にナーガ型サイボーグ製造室があった。

乙姫が誰も居ない事を確認して入る。

今は製造停止しているようだ。


4人しか乗組員がいない船内はきれいだ。

ゆえに珠を隠す場所が全く見つからない。


犬神「どうしよう。

地獄にでも転送されるのかと思ったが、綺麗な宇宙船とは。

珠隠す場所が無いぞ」


乙姫『アワワ』


犬神「どこか壊して散らかすか」


乙姫『とんでもない人数の勢力が控えてます。

やるなら故障と勘違いさせるくらいしか無いですよ』


犬神「こりゃ勝手な判断は出来んな。帰るか。

4人倒しても事態は悪化するだけ。ここを乗っ取っても勝ち目無し」


乙姫『あ!ここに来た時のUFO。そこに忠の珠を置いてきました。

そっちを乗っ取る方法を考えましょう。』


撤退を選択した二人。

そのタイミングで船内が振動する。別のUFOが地球へ出発した。

船虫に譲った船、それは四隻ある内の一隻でしかなかった。


ウリエルが地球へと降臨する。


犬神「よし、忠の珠に転送しよう。船を奪うぞ。」


乙姫『いいぞう』


犬神が転送すると、そこはUSJのハリポタ城隠し部屋。

タルナーダの棺の前だった。


タルナーダ「来たか」


犬神「あれ?」


乙姫『なぜ?』


タルナーダ「毎回ここに忠の珠を捨てる奴がいる」


犬神「誰だよ」


タルナーダ「知らねえよ、とにかく持って帰れ」


犬神「最悪だな、帰ろう。」


偵察任務に収穫は有ったのか無かったのか。

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