琵琶湖編3 城破壊のジンクス
伏姫は彦根城本丸売店で人質達と一緒にいた。
呑気にひこにゃグッズを見て回って夜まで時間を潰した。
夜になり霧が立ち込めてしばらく経つと、監視の鬼が居なくなった。
人質に話しかける。
「なんか監視が居なくなったみたいです。
さっきまで怯えていた私の愛犬が、しきりに外へ行きたそうにしてます。
一か八か、今のうちに逃げましょう。」
単なる柴犬に引っ張られて伏姫が先頭を行く。
怯えきってついてこない者も居るが、構わない。
どうせ全滅しているのだから。
濃い霧でほとんど何処かもわからないが、
やがて大手門橋にたどり着き、無事脱出した。
■
彦根城での騒音はごろごろ音と激しい雷鳴がほとんどで、
銃声などはしない。
雷鳴に紛れて進む犬塚は守備妖怪を全滅させ、
天守に侵入した。
天守内は明るく霧もほとんど無いが、所々狭かった。
屋内では鬼の巨体を盾としての超接近戦となる。
激しく暴れる白鬼が柱を折り、城は崩れる予兆を見せた。
あえて階段は登らず、降りてきた鬼を切り捨てる。
すると床を踏み抜いて鬼が降りてきた。
更に城が脆くなる。
犬塚はこの戦いでは初めて金剛力の小太刀を抜いて二刀流となる。
飛び上がって二階で同じように鬼に城を破壊させた。
強度限界を見繕って窓から脱出する。
追ってきた鬼が壁ごと窓を破壊すると、城が崩れ始めた。
城もろとも鬼発生の拠点を封じた。
再び霧に紛れ、鬼残党を始末し、
残りはぬゑだけになった。
落雷が闇雲に落ち始めるが自爆となるのか、ぬゑの近くには落ちない。
犬塚が雷鳴に紛れて近寄り、跳躍した。
猿頭の視界と蛇尻尾の視界をあざむき、上から切りかかる。
背中に着地し、頭と尻尾を同時に切り落とした。
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