琵琶湖編3 城破壊のジンクス

伏姫は彦根城本丸売店で人質達と一緒にいた。

呑気にひこにゃグッズを見て回って夜まで時間を潰した。


夜になり霧が立ち込めてしばらく経つと、監視の鬼が居なくなった。


人質に話しかける。

「なんか監視が居なくなったみたいです。

さっきまで怯えていた私の愛犬が、しきりに外へ行きたそうにしてます。

一か八か、今のうちに逃げましょう。」


単なる柴犬に引っ張られて伏姫が先頭を行く。

怯えきってついてこない者も居るが、構わない。

どうせ全滅しているのだから。

濃い霧でほとんど何処かもわからないが、

やがて大手門橋にたどり着き、無事脱出した。



彦根城での騒音はごろごろ音と激しい雷鳴がほとんどで、

銃声などはしない。


雷鳴に紛れて進む犬塚は守備妖怪を全滅させ、

天守に侵入した。

天守内は明るく霧もほとんど無いが、所々狭かった。


屋内では鬼の巨体を盾としての超接近戦となる。

激しく暴れる白鬼が柱を折り、城は崩れる予兆を見せた。


あえて階段は登らず、降りてきた鬼を切り捨てる。

すると床を踏み抜いて鬼が降りてきた。

更に城が脆くなる。


犬塚はこの戦いでは初めて金剛力の小太刀を抜いて二刀流となる。

飛び上がって二階で同じように鬼に城を破壊させた。

強度限界を見繕って窓から脱出する。

追ってきた鬼が壁ごと窓を破壊すると、城が崩れ始めた。

城もろとも鬼発生の拠点を封じた。


再び霧に紛れ、鬼残党を始末し、

残りはぬゑだけになった。


落雷が闇雲に落ち始めるが自爆となるのか、ぬゑの近くには落ちない。

犬塚が雷鳴に紛れて近寄り、跳躍した。

猿頭の視界と蛇尻尾の視界をあざむき、上から切りかかる。

背中に着地し、頭と尻尾を同時に切り落とした。

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