琵琶湖合戦

琵琶湖編 安土城の跡

彦根城と長浜城から鬼が湧いてくる。


彦根城天守を拠点としていて、城主にはぬゑが。

猿の頭に虎の体、尻尾は蛇。


同じく長浜城天守を拠点とし、城主は酒呑童子。


琵琶湖からは河童が湧いてくる。


見晴らしの良い安土城跡に天狗が居座る。


琵琶湖東岸は妖怪テーマパークになった。



安土城本丸跡の天狗の元へ、少年に化けた犬村陽子が近づいて行く。


天狗は本丸跡から飛翔して周りを偵察していた。

少年はきょろきょろしながら石垣を登ってくる。


少年「ままー」

少年は石垣の分岐に差し掛かると泣き始めた。

天狗が降りてきて少年に話しかける。


天狗「家はどこ?」


少年「伏見稲荷」


天狗が少年を抱えて飛び上がると、少年が妖狐へ変化した。

天狗の翼に妖狐が噛みつき、両者が墜落する。


妖狐は尻尾でもふりと着地すると、

前足で天狗を抑えて、片翼を噛み千切った。

天狗が杖と羽団扇を振り回して暴れまわり離脱する。


途端に対峙した両者の間に竜巻が発生した。

踏ん張る妖狐を竜巻がさらう。

犬かきの様に暴れるが、そのまま天高く舞った。


天狗が走って逃げていく。


走って逃げる、その姿にピンときた妖狐が天狗に化けた。

羽ばたいて竜巻から脱出すると、つたない棒術で杖を振り回した。


天狗が振り向き様に恐ろしい速度で杖を振るって反撃する。

対する陽子は始めの内は防戦一方だった。

杖だけでは防ぎきれないので、尻尾を生やして杖を防ぐ。

尻尾の数が増え、次第に攻撃のチャンスが増えていく。

もふもふと防ぎ、もふもふと天狗を押さえつける。

女性らしい慈愛の尻尾で身動きが取れなくなった天狗。


陽子「えい」

天狗の脳天に杖を叩き落す。

天狗は灰になった。

その灰は集まって輝きはじめ、礼の珠が残った。


安土城跡を河童が囲み始めている。

陽子は天狗姿となり飛び立つと、河童の発生源を追って琵琶湖へ向かった。

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