琵琶湖合戦
琵琶湖編 安土城の跡
彦根城と長浜城から鬼が湧いてくる。
彦根城天守を拠点としていて、城主にはぬゑが。
猿の頭に虎の体、尻尾は蛇。
同じく長浜城天守を拠点とし、城主は酒呑童子。
琵琶湖からは河童が湧いてくる。
見晴らしの良い安土城跡に天狗が居座る。
琵琶湖東岸は妖怪テーマパークになった。
■
安土城本丸跡の天狗の元へ、少年に化けた犬村陽子が近づいて行く。
天狗は本丸跡から飛翔して周りを偵察していた。
少年はきょろきょろしながら石垣を登ってくる。
少年「ままー」
少年は石垣の分岐に差し掛かると泣き始めた。
天狗が降りてきて少年に話しかける。
天狗「家はどこ?」
少年「伏見稲荷」
天狗が少年を抱えて飛び上がると、少年が妖狐へ変化した。
天狗の翼に妖狐が噛みつき、両者が墜落する。
妖狐は尻尾でもふりと着地すると、
前足で天狗を抑えて、片翼を噛み千切った。
天狗が杖と羽団扇を振り回して暴れまわり離脱する。
途端に対峙した両者の間に竜巻が発生した。
踏ん張る妖狐を竜巻がさらう。
犬かきの様に暴れるが、そのまま天高く舞った。
天狗が走って逃げていく。
走って逃げる、その姿にピンときた妖狐が天狗に化けた。
羽ばたいて竜巻から脱出すると、つたない棒術で杖を振り回した。
天狗が振り向き様に恐ろしい速度で杖を振るって反撃する。
対する陽子は始めの内は防戦一方だった。
杖だけでは防ぎきれないので、尻尾を生やして杖を防ぐ。
尻尾の数が増え、次第に攻撃のチャンスが増えていく。
もふもふと防ぎ、もふもふと天狗を押さえつける。
女性らしい慈愛の尻尾で身動きが取れなくなった天狗。
陽子「えい」
天狗の脳天に杖を叩き落す。
天狗は灰になった。
その灰は集まって輝きはじめ、礼の珠が残った。
安土城跡を河童が囲み始めている。
陽子は天狗姿となり飛び立つと、河童の発生源を追って琵琶湖へ向かった。
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