アベンジ編9 見逃す
社会人は梅田を早々に捨て、新たな職場へ移っていった。
私鉄やJR京都神戸線、環状線、
地下鉄は梅田手前で折り返し運転を始めた。
新幹線は元々新大阪駅なので影響がない。
一方、自警団は苦戦していた。
天狗が召喚した巨大蜘蛛が子蜘蛛を産み散らす。
建造物は蜘蛛の巣まみれで進むこともままならず、
河童相手の自警団装備では子蜘蛛は強すぎた。
屋外のかまいたちは素早く、天狗に見つかれば全滅する。
自警団の生還率が一気に下がった。
そんな局面で横綱東犬が参戦した。
河童を丁寧に撲殺し、複数戦では相撲で対処する。
時折四股を踏むと、蜘蛛は散り、かまいたちは止む。
東犬は帰らぬ弟子を探しながら、天狗との距離を詰めて行く。
無力な自警団は東犬を援護して進む。
その猛攻に対し天狗の判断は簡単だった。
天狗は四股で墜落させられると、早々に逃走してしまった。
東犬は犬坂から天狗逃走の連絡を受けると、
梅田に残り弟子探索を続けた。
東犬は自警団の希望になった。
■
村雨剣士犬塚は逃げた天狗追撃にWRXで出発する。
運転は一応可能だが、無免許なので浜路が運転した。
浜路には治癒効果のある黒パーカー黒パンツを着させている。
戦わせるつもりは無い。
犬坂の指示で京都方面へ向かった。
■
USJはこんな時でも営業している。
犬神は駐車場で電動ハーレーに弓矢だけを残し、
甲冑、木刀、パイルバンカー装備で、
コスプレと言い切りフリーパスチケットを購入して入場した。
客は少なかったが、コスプレで目立ってしまう。
足早にハリポタ城に着くと、内部見学ルートへと進む。
木刀で怪しい壁を叩いて回ると、女性クルーに止められた。
女性クルーの首筋に噛まれた痕を見つけた。
犬神「吸血鬼を呼べ」
女性クルー「何のことでしょう」
乙姫『アワワワ』
乙姫の口から泡が出て、女性クルーの噛み痕を癒した。
犬神「吸血鬼がどこに居るか分かるか?」
女性クルー「吸血鬼?ここはハリポタの城ですよ、お客様」
甲冑姿で吸血鬼を探すマッドな男。
別のクルーがタルナーダに異常を報告した。
甲冑男に接触した配下の人間が自由の身にもなっていると。
タルナーダはクルーに男を隠し部屋へ案内するよう命令した。
ほどなく、犬神が隠し部屋へ入ってきた。
乙姫『お邪魔します』
タルナーダ「なに用か?」
犬神「なぜ河童をさらったりするんだ?」
タルナーダ「強くなるためだった」
犬神「今後も続けるのか?」
タルナーダ「もう強くはなれないから、、今は何もしたくない」
乙姫『ニートの吸血鬼、、』
犬神「天狗を討伐してくれて助かったと思っている。
邪魔をしないなら見逃してもいい。」
タルナーダ「何度か殺しあったのに。甘い奴だな」
犬神「仲間を失って悲しむ奴に殺意が湧かん」
タルナーダ「なら放っておいてくれ」
乙姫『何百年も引きこもってると強くなれるらしいですよ?
大阪城にそんなのが居ます』
犬神「ここの人間を何人か解放した。もう殺すなよ。」
タルナーダ「もうずっと人間は殺してない」
犬神「俺は人間だが殺されかけた」
乙姫『私は神様です』
ガイーン
犬神がパイルバンカーを突っ込み代わりに射出した。
驚いた天井のコウモリの口から信の珠が落ちた。
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