アベンジ編8 良いこと

東犬「梅田に向かった弟子が心配だ。梅田には私が行こう。」


犬神「ではUSJへ。」


犬坂「それぞれ出撃のタイミングは任せますよ。」


乙姫『皆さんちょっと休んでからにして下さい。

あなた達は武術に長けただけの、ただの人間なんですよ。』


犬塚は二人の行き先を聞いて、すでに食堂へ向かっていた。

犬神、東犬も食堂へ向かった。


食堂には浜路が居て、カレーを皆にふるまった。

犬神「乙姫さんタケコプターみたいな物無いの?」


乙姫『ありません。

梅田の天狗でしたら横綱に任せておけば大丈夫でしょう。

四股を踏めば天狗は墜落します。相性がいい。

吸血鬼のコウモリなら、魔除けの笛で防げてましたよ?』


犬神「天狗にまるで勝てる気がしない。

さらに強力な妖怪も出るんだろう?」


乙姫『射ると千本に分かれる矢が有りますが、弓矢は不得意でしょ?』


犬神「念の為持って行っていい?」


乙姫『良いでしょう』


犬神と東犬は仮眠を取ることにした。



犬塚は浜路とゆっくりカレーを食べている。

浜路「だんだん前世の記憶が蘇ってきたんです。」


犬塚「そうか」


浜路「次のご出陣まではゆっくりされるのでしょう?」


犬塚「ひと眠りしたら天守閣で待機する」


浜路「良かった」



USJの吸血鬼タルナーダは天井を見上げていた。


天井には二匹のコウモリがぶら下がっている。

一匹はネーバに、もう一匹はヴィールヒに面影が似ていた。

ネーバコウモリは口に信の珠をくわえている。


ただ泣き疲れては眠るだけ。


棺桶ベットのふたは開けたままだった。

USJクルーが様子を見に来た。

「、、、良く眠っていらっしゃる」



梅田天狗は阪急屋上で召喚術を行い配下を増やしていた。

各劇場には、巨大蜘蛛を住まわせる。

地上では、かまいたちが飛び回る。


自衛隊の電車突撃作戦で梅田へ敗走を重ねた河童達は地下から地上へ、

ビルへと逃げ延び、ボスのごとく赤目河童が君臨する。


天然の地下迷宮、塔のようなビルに天狗魔王。

いつの間にか地下に封じ込められたのは人間の方だった。


現在の最前線は梅田の地下、各駅のホーム。

皆そこから出撃し、ビルに入って上を目指し、ホームまで戻ってくる。

ホームがセーブポイントの様な安息を与える。

けれど魔王までは到底たどり着けない危険な道のりだった。


加えて淡路島の件が、自衛隊戦力の梅田集中を躊躇させている。

次第に電車出撃には自警団が多くなって行った。

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