アベンジ編7 陰と陽の働き

犬神、犬塚が鬼の拠点である慰霊碑に着いた時、

東犬が鬼達相手に相撲を取っていた。


自衛隊の射撃が飛び交う中にかまわず、

犬神と犬塚が飛び込んでいく。

一直線に慰霊碑に突入した。


鬼拠点内は工場のような作りで、

年端も行かない若者達が何かを作っていた。

青鬼を探し回っていると若者たちが赤鬼へと変わる。


犬神はなぎなたを構えて犬塚の背後を見守っていた。


犬塚は廊下のような狭い場所でも村雨を存分に振るう。

建物もろとも切っているのではない。

その振り方は洗練された技術に基づいていた。


予備動作無しで流れ続ける動き。梅地下でも見た。

村雨はむしろ狭い廊下の方が使いやすいと言える。

犬神は鬼を回り込ませないように移動するだけで良かった。


犬塚がとうとう工場長室にいた青鬼を見つけた。

首を切り飛ばして早々に脱出した。


外に出ると、青鬼の首が珠となる。


珠は飛んで行くと、

東犬の化粧まわしに描かれた、犬張り子の首輪に埋め込まれた。

すでに付近の鬼は横綱東犬と自衛隊に一掃された後だった。


犬神が犬坂からの電話を横綱東犬に取り次ぐ。

地下大阪城を拠点として妖怪退治している事を説明し、同行を求めた。

野良鬼残党は今回も自衛隊に任された。



出撃組が地下大阪城へ帰還すると、

地下天守閣には犬坂、伏姫も居た。


犬坂「災難でしたね。」


犬神「お互いな。次はどうするんだ?」


犬坂「働き者ですね。

どういうわけか、追っていた吸血鬼は淡路島南部で天狗を討伐し、

USJに戻りました。」


犬神「あの吸血鬼が天狗相手に勝ったのか?」


犬坂「途中で吸血鬼が2体合流して、何とかなった様です。」


犬神「ではまたUSJか?」


犬坂「いえ、大阪城を襲った天狗が残ってます。梅田に入りました。

さらに言うと梅田、淡路島と続きましたから、

次はもっと強力な妖怪が遠方に現れる可能性が有ります。」


犬神「妖怪も働き者だ。」


犬坂「USJの吸血鬼、梅田の天狗、新たな妖怪に手分けして当って頂きたい。」

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