大阪城攻防戦7 休息

赤ちゃんから成人に急成長した伏姫がクルっと回って見せる。

「プリッキュ」

謎の掛け声に合わせて着ていた白い産着が巫女服になった。


「義の珠をこちらへ」

伏姫が手をだしたので、犬神は珠を渡した。


「ヒィィィトォエンドォ」

伏姫が珠を思い切り握る。意味が分からなかった。


「犬派?猫派?」

伏姫が問う。


「え?」

犬神が答えに迷っていると、


「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」


伏姫に握られていた珠は竜の落とし子になっていた。


「聞きたい事はこの子に聞きなさい」

伏姫の手の上で竜の落とし子は瀕死の状態でビクンビクンとしている。


「、、、立ち上がりなさい、

あなたの力はこの程度ではないはずです」


伏姫の激励になんとか応えた竜の落とし子はふわりと浮かぶと、

犬神の目の前で会釈する。


『犬神さん、初めまして乙姫と申します。』

犬でも猫でもない珠の化身はメス?のようだ。


『ささ、一休みしましょう。こちらへ』

乙姫が天守閣を出ていく、犬神は後を追った。


『お部屋は洋室、和室どちらにしますか?』

「和室で」


『ここです』

天守閣から下る螺旋階段の途中にふすまが有る。

犬神はその中へと入っていった。


雰囲気はよくある旅館の客室、すでに布団が敷かれてあった。

犬神は甲冑を脱ぎ捨て、倒れこむように眠った。


『まったく、世話が焼けますね』

乙姫がしっぽ部分で甲冑の部品を持った。超軽量の甲冑ゆえでもある。

部屋の隅にある鎧立てに一つ一つ飾っていった。


なぎなたは犬神自身が城内に戻った時、武器庫へ戻していた。

小太刀は枕元へ置かれた。

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