大阪城攻防戦6 姫転生

青鬼の首は、現世に戻った途端、輝きだして宙に浮いた。

ノーダメージ甲冑に任せて凝視してみる。


光が収まると、小さな珠となってポトリと落ちた。

拾って見ると文字が浮かぶ。


ふところへしまった。


犬神は大阪城へ向かってパトカーを走らせながら、

様々な疑問を整理しようとしていた。


犬坂と名乗った陰陽師なら、落ち着いた時に聞けば、

答えてくれるかもしれない。



犬神が戻ると、大阪城外堀で1匹の赤鬼と警官達が戦っていた。

例のお堀地下入り口は見つかっていないのだろうか。

剣士犬塚の姿は無く、雷も収まっている。


犬神は加勢し、鬼と警官の間に割って入った。

急にゴロゴロと雲行きが怪しくなり、犬神に雷が落ちる。


犬神もろとも鬼も警官達も被雷し、警官達は気絶した。

犬神は感電して痙攣している鬼を切り伏せたあと、警官の息を確認し、

堀地下入り口へ入っていった。



天守閣に入ると陰陽師犬坂と、伏姫を抱いた浜路が居た。

犬神はふところから義の珠を出して見せた。


「ご苦労様でした、これで増援は無くなりました」


「次は?」


「残党は人々が何とかするでしょう、

城は安全ですので下の部屋でお休み下さい」


犬神は一晩中走り回って疲労困憊ではある。

質問したいが、そう言われては、ひと眠りしたくなった。


外を見ると朝日が昇る所だった。

きれいな景色に少し眠気が収まる。


その時、朝日を浴びた伏姫が輝き宙に浮いた。

朝日と同じようにまぶしく輝くと若い女性へと変化した。

「ばぶぅ」

伏姫の第一声に一同はずっこけた。

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