余談:ルキスラまでは何マイル?


 SW2.0/2.5では「依頼人のいる村まで徒歩3日」とか「遺跡まで徒歩2時間」という表現をよく使いますが、実際どれくらいの距離なのでしょうか?


 なおマイルはヤード・ポンド法の長さの単位で、陸上での1マイルは約1609mです。航空機や船のマイル(海里)は1852mになります。



■徒歩 1時間:4~5km 1日:30~50km


 一般人の能力値はALL12なので、戦闘時1ラウンド(10秒)の移動速度は12m。分速に直せば分速72mになります。

 不動産の広告で「〇〇駅から徒歩X分」と表示されていますが、これは地図上の道路距離を「1分=80m」で割ったもの(徒歩所要時間)なので、感覚的には近いかと。

 このペースで1時間歩くとすれば、80×60=4.8km。休憩を入れて進めば4kmぐらいとなります。

 もちろん、道の状態が良くない(場合によっては全くない)山、森、沼地などでは移動速度は当然落ちるでしょう。ウィルダネス(野外での冒険)でマス目を使った冒険では「隣のマスに移動→探索等の行動」をひっくるめて一定の時間(例えば2時間とか3時間)、移動するだけならそれより短い時間(例えば1時間)かかる、という風にするとよいかと。


 日の出から日没まで一日中歩けば10~12時間。時速4~5kmとして食事や休憩の時間も考えれば、30~50kmになります。

 江戸時代の東海道は江戸から京都まで約490kmをおおよそ2週間で旅したそうです。490÷14=35で、一日に平均35km。現実的にもそのくらいということになります。

 日程(おおよそ14日)に対して宿場町の数は53と結構多いですが、体調が悪かったり、悪天候で早めに切り上げて宿に入る日もあったでしょう。

 単純に490を54(中間に53宿あるので)で割ると9kmおきに宿場町があるということになるので、最悪でも2時間と少々歩けば次の宿にたどり着けることになります。


 マラソンのトップランナーは2時間少々で42.195kmを走ってしまいますが、これは「平坦で整備された道路」を「荷物を持たず走りに専念できる(外敵に襲われることもない)」という状況でのことで、重い装備や所持品を持って移動する冒険者には当てはまらないでしょう。

 なお市民マラソンの一般人ランナーの平均タイムは、5時間弱のようです。身一つで一生懸命に走って、ようやく徒歩の2倍速というところでしょうか。


 装備を着て重い荷物を持って(何しろ、装備や装飾品の数には制限こそあれ、所持品に制限はありませんし(笑))移動する都合上、筆者の場合は「徒歩1日30km」と考えています。

 東京駅から南は横浜市、東は千葉市、北はさいたま市ぐらいの距離になるでしょうか。


 ダーレスブルグからルキスラまで徒歩7日。ルキスラからザルツ地方の南端へも同じくらいの距離がありそうなので、ザルツ地方は南北420km(1日40km換算なら560km)ぐらいはありそうです。

 直線距離なら東京ー大阪、東京ー岩手県ぐらいですね。



■馬 徒歩の2倍速


 競走馬は人を乗せた状態で時速50~70kmを出すことができますが、これはあくまでも競走時の数分間の話。

 人を乗せて普通に歩く(並足)と徒歩の1.5倍から2倍ぐらいの速度を出せます。筆者は2倍としています。


 急を要する使者や手紙を運ぶ場合、街道の一定距離ごとに馬を配置した宿駅(これが発達したのが宿場町)を整備して宿駅ごとに馬を交換して走らせました。

 こうすると3~4倍くらいの速度を出せますが、一介の冒険者には馬を交換する費用が……『王様に急を要する使者を頼まれ、宿駅の馬の使用を許された』というようなケースなら可能でしょうか。



■馬車 徒歩の1.5~2倍速


 馬車の速度は何頭立てか、荷物をどれくらい積んでいるかにもよります(積み荷を満載した商人の馬車なら、当然徒歩ぐらい、もしくはもっと遅い速度になるでしょう)。

 舗装されているであろう主要街道なら速く進めるかと思いますが、舗装されていない道なら速度は当然落ちます。

 獣道のような細い道では、そもそも走れないでしょう。



■魔動バイク、魔動ビークル 徒歩の4倍速


 移動速度を単純に換算すると、魔動バイクは徒歩の4倍速になります。時速16~20kmとすると、バイクとしては遅いかな?とも思いますが、車輪で走る都合上、現代よりも道の状態は良くないでしょうし、そもそも舗装されてない道も多いでしょうしね。スカイバイクになるとこの問題は改善されますが。

 ある程度お金に余裕が出てくると、ウチの卓の冒険者たちは暴走ぞ……冒険者ライダー一行と化します。『剣と魔法の世界』でそれもどうよ?とも思いますが……



■鉄道 時速?


 2.5のアルフレイム大陸では魔動機文明期に使用されていた魔動列車の復興が進められています。

 ただし、蛮族その他の外敵があり、いつ線路を破壊されたり障害物を置かれたり(場合によっちゃ奈落の魔域)するかわからない状況では、あまり速度は出せないかと考えます。鉄道は鉄のレールを鉄の車輪で走るので、自動車よりも制動距離はずっと長くなります。

 それでも、例えば時速40kmとすれば、徒歩1日の距離を1時間で進めるので大したものではあります。



■船 一日80~150km?


 大航海時代の帆船は4~7ノットくらいだそうです(もちろん風の状態にもよる)。

 1ノットは時速1マイル(海里)なので、4~7ノットとすれば時速7km~13kmぐらい。

 日中ずっと帆走するとすれば(魔動機による照明と乗組員が充分あれば、夜も?)80~150km進めるでしょう。

 アルフレイム大陸には魔動機関で動く船もあるようです。



■魔航船(飛空船) 時速10~20km?100km?


 魔動核を使用して空を飛ぶ船です。

 現代のラクシアでは気嚢で浮力を補ったり、帆で推進力を補ってマナ消費を節約するのが普通です。かつてはマナチャージクリスタルの巨大版を搭載しており、かなりの速度を出せたようです。

 水の抵抗は空気抵抗よりも大きいので、帆走でも船よりは速そうです。


 なお、現実世界の飛行船では時速100kmを出すことも可能なようです。

 もっと高速で飛べる飛行機があるため、あまり需要はないようですが。

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