第148話 追加学習♪&敵城視察からの……ぷはぁ

「それじゃあ大地。そこにひざまづいて」


 脚を組んだまま、愛花は地べたを指差して俺に膝まづくよう指図してくる。


「えっ……?」


 俺が動揺していると、愛花はニヒルな笑みを浮かべる。


「いいのかなぁ?」


 そして、ドンっと学習机の壁を手で叩く。

 ビクっと心臓が跳ねた。

 辺りを見渡すと、突然の物音に驚いて、他の生徒や先生たちがこちらの様子を窺っていた。


「す、すいません……」


 俺は周りを見渡して平謝りすると、愛花に向き直る。


「何してくれてんの!?」

「早くそこにひざまづいて四つん這いになってって言ってるの。次は悲鳴上げるよ?」


 愛花のガチトーンから見て、警察行になる前にいうことを聞いておいた方がよさそうだ。


 俺は辺りの視線を窺い、誰もこちらを見ていないことを確認すると、すっと床に膝まづいて顔を上げた。

 視線の先には、脚を組んだ愛花の生足が艶めかしく輝いている。


 愛花は足を組むのをやめると、ニヤっと意地悪めいた顔を浮かべて、手でスカートの裾をつまんでえぺろりと上にめくる。

 脚と脚の間から見える太ももと、行き止まりに見える絶対領域を覆い隠す黒いショーツが俺の視界を覆いつくす。


「ほら、どうしたの? そんなにまじまじと私の脚の間に視線を向けちゃって?」


 勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、嘲笑めいた言葉を言い放つ愛花。


「さぁ、大地。そのままハイハイして前進して」

「えっ……でも」

「……叫ぶよ?」

「うっ……」


 脅迫染みた愛花の態度に、俺は深く息を吐いて覚悟を決めてから、四足歩行で愛花の足元へと近づいていく。

 愛花の膝前あたりでいったん止まると、愛花はさらにわざとらしく足を大胆に開く。

 もう俺の視界には、愛花の太ももと黒いショーツしか見えない。


「そのまま前進」

「は、はい……」


 直線に見える黒ショーツと艶めかしい太ももを拝みつつ、ハイハイで前進する。

 徐々にぷにっと愛花の太ももの柔らかい弾力が頬に当たり、心地よい感触が直に伝わる。


 そして、ついに絶対領域が目の前に近づいてきたところで、ばっと愛花が太ももで俺の顔を思い切り挟んでロックする。

 ふにゅりと柔らかい太ももの感触を直で感じつつ、俺は舌鼓を打ってしまう。

 愛花は上げていたスカートを下ろして、そのまま俺の頭を覆い隠す。

 さらに、スカートの布越しに意地悪めいた声音で語り掛けてくる。


「うっわぁー大地。今、私のお股に顔埋めて太ももで挟まれちゃってるよー。誰かに見られたら、絶対いけないようなこと、公共の場でしちゃってるねぇー」


 ぐさりぐさりと痛い所を突いてくるのに対して、柔らかいふにふにとした太ももをゆすり頬へ大胆に当ててくる愛花。


「大地は、私の太もも大好きだもんねぇー。そうだよね? 本当はずっとこうしたかったんだよね?」


 声で返せない代わりに、俺はこくりと無言で頷く。

 愛花の股はもわっとした熱を帯びていて、心なしか酸っぱい匂いが強い。


「そっかそっか。なら、素直な大地にはもぉーっと、ご褒美してあげなくちゃね♪」


 愛花は自ら股の部分を、俺の顔に押し付けてくる。

 っ! 鼻……鼻が愛花のパンツにくっついて!? ちょっと食い込んで……!?

 これ以上はまずいと思い、愛花の魔性から逃れようと、顔を無造作に動かしてしまう。


「あっ……こらぁ……はぁっ……♡」


 愛花のアソコを鼻で刺激してしまったらしく、愛花が悩ましい声を上げて身悶える。

 刺激を与えてしまったため、愛花はさらに力を込めて太ももで俺の顔を挟んでくる。

 むにゅっとしたモチモチした太ももに挟まれて、身動きが取れなくなる俺。


「もう……大地はエッチなんだから……。はい、追加学習おしまい♪」


 ようやく愛花の太もも股ばさみロックから解放され、俺は身を引いて自席へと急いで戻る。

 もわっと蒸れていた温かな空気から、涼ししい開放的な空間へと脱出して、マイナスイオンを感じる。


「ふふっ……どうだった大地? 私のアソコ、よかったでしょ?」


 もうこれを学習塾でやってる時点でアウト。

 人間的に終わっている気がするけれど、視線をそらして無言を貫くことしか出来ない。

 その様子を見て、嬉しそうに笑みを浮かべる愛花。


 不意に鼻を触ると、少しぬるっとした湿り気を帯びていた。

 それが何なのかは、触れないようにしておこう。



 ◇



「はぁ……疲れた」


 三時限目までの授業を終えて、俺は疲労困憊状態。

 他の子の授業を教えている間にも、ふと手の空いた時間が出来ると、愛花の太ももと絶対領域を包み込む黒のショーツがフラッシュバックして、ぽけぇっと物思いに耽ってしまっていた。

 完全に教師失格ではあるけど、愛花が満足そうだったので良しとしよう。(いや、良くないけど……)


 これから愛花を家に連れていき、なおかつ優衣さんとの戦いが待っていると考えると、身が持つ気がしない。

 もしかしたら、今日が俺の命日になるかもしれないな。


 生徒を学習塾から送り出して、俺は片づけを済ませて学習塾を後にする。

 スマートフォンをチェックすると、愛花は敵情視察のため、先にアパートへ向かうとの事。

 今頃優衣さんは、部屋の中で俺の帰りをまだかまだかと待ちわびているのだろう。

 俺は重い足取りで、アパートまでの道を進んだ。



 ◇



 アパートの前に着いて、辺りを見渡しても、愛花の姿は見当たらなかった。

 愛花に連絡しようと、スマートフォンをポケットから取り出す。

 すると、画面に一通の通知が届いている。愛花からだ。


 メッセージ画面を開いて内容を確認すると――


『敵城視察。おっぱいおばけ、ヤバイ』


 ただ、それだけ送られてきていた。


 敵城視察ってことは、優衣さんの部屋にお邪魔させてもらっているのだろうか?


 俺はアパートの階段を登り、外廊下の奥から二番目。

 優衣さんの部屋の前で、インターフォンのボタンを押した。


 すると、ガラガラガッシャーンと何やら不穏な音が家の中から聞こえてくる。

 間もなくして、無造作に扉が開かれた。

 出てきたのは、制服姿の愛花、心なしかげっそりした表情を浮かべている。


「大地、このおっぱいお化けヤバイ。部屋の中汚い。洋服、下着、ちらかしっぱなし」

「あ、あぁ……」


 まあ、知ってるから、愛花を憐れに思うことしか出来ない。


「おっ! やっと帰ってきた!」


 すると、部屋の奥から主が現れる。


「お疲れ様です優衣さん」

「お疲れ、お疲れ!」


 優衣さんは黄色いスリップを一枚身に着けているだけで、艶やなかおっぱいと谷間が半分以上見えていて、下からは綺麗なスラっとした脚が伸びていた。


「愛花ちゃんが大地くんの部屋の前で待ってたから、家に上げてあげてたよ」

「あ、ありがとうございます」

「全然ありがたくなかった」


 愛花は慄くように肩を震わせている。それほど、優衣さんの部屋に戦慄を覚えたのだろう。


「ってことで、大地君も帰って来たことだし、隣の部屋に行こう!」


 優衣さんは玄関に放ってあったサンダルを引っかけて外廊下へと出てきた。


「それじゃ、大地君。早速お帰りのぷはぁーしようねぇー!」

「いやっ、待って優衣さん。人前でやるのは流石に恥ずかし……」

「何言ってんの! これから大いに私たちのたわむれを見せつけるんだから、こんなところで怖気づかないの!」

「別に怖気づいているわけではなくてですね……うっ」


 言い訳をしている間にも、優衣さんにガシっと頭を掴まれてしまう。

 抵抗の力虚しくス、リップ越しの豊満なおっぱいへお帰りのぷはぁーをする俺。


「ぷはぁ……」

「おかえり、大地君」

「た、ただいまです。優衣さん……」


 間近で見ていた愛花は、唖然とした顔を向けてくる。


「おっぱいお化けじゃなくて、大地専用のおっパブ!? 低俗おっぱい遊女」

「誰が低俗おっぱい遊女よ! 私は普通の会社で働くOL!」

「まあ、この姿見られたらそう思われても仕方がなっ……んごっ」

「何か言ったかなぁー大地君? ほら、おっぱいで大人しくしてましょうねぇー?」

「な、なんでもありませ……んごっ」


 こうして、二度目のぷはぁーを終えてから、俺達は部屋の中へと入っていった。

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