第146話 美少女サンドウィッチ (春香8泊目&綾香8泊目)

「さっ! ってことで、早速三人で寝よう! 布団敷くよ綾香!」

「う、うん! で、でもどうする? 一枚だけだとさすがに狭苦しいよね?」

「うーん……二枚敷いて真ん中に大地に寝てもらえばいいんじゃない?」

「そうだね、そうしてもらおうか。いい、大地君」

「うん、俺は寝れればどういう形でも」


 二人はさっさと寝支度を始めていく。

 俺も春香たちを手伝い、部屋の中に布団を少し重ねるように敷いた。


 歯磨きなどを済ませてから、俺が真ん中に寝転がり、右に綾香、左に春香がそれぞれぴたっとくっつくようにして添い寝してくる。


「電気消すぞ」

「はーい」

「うん……」


 部屋の明かりを消して、俺は二人の美少女に挟まれながら就寝につく。


「だーいちっ!」

「大地君……」


 二人とも、俺の腕に抱き着くように腕を回して引っ付いてくる。

 あぁ……右には同じ大学に通う美人女優、左には幼馴染。

 両手に華とはまさにこのことだと実感する。


 すると、またも隣の部屋からガタガタ、ドスンっと激しい物音が聞こえてきた。

 俺達は自然と隣の部屋で泥酔しているであろう優衣さんの部屋へ視線を向ける。


「だ、大丈夫かなぁ……」

「まっ、大地を独り占めしようとしていた罪ね」

「酒に呑まれるなとは、まさにこのことだな……」


 まあ、お酒のせいで今まで呑まれていたのは俺の方なんですけどね。

 おっぱい的な意味で……。

 優衣さんのおっぱいに酔いしれていた自分のことを思い返していると、ふと春香が思い出したように尋ねてくる。


「そう言えばさ、あのはしたなおっぱいが去り際に言ってた『ぷはぁ』って何のこと?」

「へっ!? えっと……」

「多分、おっぱいに顔を埋めてパフパフすること……だと思う」


 戸惑う俺をよそに、綾香が春香に対して正解を告げる。


「なっ!? 大地、あのはしたないおっぱいに顔埋めてたの!?」


 詰問してくる春香に、俺は顔を背ける。

 すると、春香が俺の腕から手を離し、何やらモソモソとし始める。


「あ、綾香」

「何、春香ちゃん?」

「わっ、私たち二人で協力すれば、胸で大地を満足させられるかな?」


 唐突に突拍子もないことを言い始める春香。


「はっ、ちょっと待て。まさかとは思うけど、変なこと考えてるんじゃ……」

「た、多分二人で協力すれば、満足はしてくれるんじゃないかな? 男の子はみんなおっぱい好きだし」

「ちょっと綾香!?」


 俺の制止を聞くことなく、二人は意を決したようにモゾモゾと顔を俺のそばに近づけて耳元で囁いてくる。


「ほら大地、顔下に動かして」

「私たちの気持ちよくて温かいところに案内してあげるね?」

「いやちょっと……本当に結構ですから」


 二人からの反則レベルの魅惑的な提案。

 だが、ここで屈するわけには……。


「何? 私たちのおっぱいじゃ物足りないとでも言いたいわけ?」

「大地くん、私達の胸じゃ不満?」

「そ、そういうわけじゃなくて! そんなに身体張らなくても、二人の気持ちは十分伝わってるから、しなくていいよってこと!」


 もちろん、二人のおっぱいのぷはぁー心地は気になるけどさ!


「ううん。これは好意とか勝負関係なしに」

「私たちからのご褒美だから、遠慮なく受け取って?」

「ぐっ……」


 そう言われてしまうと、反論の余地が無くなってしまうから困る。


「ほら良いから早く!」

「大地君、おいで?」


 二人に強引に頭を押されて、俺は抵抗する力を緩めて、その誘惑に負けるようにズルズルと身体を下へずらしていき……そして。


 ぷにゅん……っと柔らかでスベスベの感触が頬に当たり、温かな体温が両頬に伝わってくる。

 二人とも、寝間着を布団の中でめくり、胸を直で差し出していた。


 うわっ……確かに、優衣さんや愛梨さんのような跳ね返るような沈み込む弾力感はないけど、これはこれでモチモチフワフワプニプニで凄く心地いいというか……。

 ブラ越しの二人の胸元を頬で堪能して、まさにプチパフパフ状態になっている。


 二人の俺好みの香りが胸元から強烈に漂ってくる。

 窒息の危険はないけれど、胸の心地よさといい香りのダブルパンチで頭がくらくらしてきて昇天しそう。


「ほら、大地」

「もっとぎゅっとしてあげるね」


 ぷにゅりと二人のおっぱいがさらに俺の頬に押しつけられ、さらに甘い香りが漂ってきて――

 俺は逃げるようにして身体を上に動かし、天国パラダイス魅惑地帯から抜け出した。


「も、もう限界! 無理!」

「えぇ……」

「そんなに私たちの胸じゃ物足りなかった?」


 違う、そうじゃない!


「物足りないわけじゃなくて! そのぉ……よすぎて幸せ過ぎてって意味での限界ってことです……」

「そ、それって……ふふっ」

「よかったってことだよね。えへへっ」

「は、はい……」


 にやりとしてやったり顔の二人。

 はい、そうですよ。二人のおっぱいは最高でしたよ! 

 俺は新たな処方薬を手に入れてしまったようだ。


「さてと、大地も満足したようだし、そろそろ寝よっか!」

「そうだね」


 二人は満足したのか、めくっていた服を直して、寝る体制に入る。


「綾香はいつもどうやって大地と寝てるの?」

「ええっと……私、抱き枕がないと寝れなくて。だから、大地君をいつも抱き枕代わりにして寝てるんだけど。春香ちゃんは?」

「私は、大地に抱きしめてもらいながら寝てる」

「そ、そっか……なら、私は背中側から大地君に抱きつくね」

「おっけい!」


 こうして、二人は勝手に俺の使用方法を決める。


 俺は春香の方へ横になり、春香をきゅっと抱きよせた。


「んんっ……はぁ……大地ぃ~」


 満足そうに甘い吐息を吐く春香。


「し、失礼します」


 綾香も、俺のお腹に手を回し、脚も絡ませ、背中に引っ付くように抱きついてくる。

 まさに、美少女サンドウィッチ状態。

 俺はサンドウィッチの中に挟まっているハムやレタスの気持ちになった。


 はぁ……にしても、春香は相変わらず抱き心地最高だし、綾香は背中越しに伝わってくる柔らかい身体の心地よさ。

 先ほどまで頬にあてていた胸元の感触も背中に感じる。

 そして、なんといっても二人の甘い匂い。

 こんな幸せな状態で、俺は眠っていいのだろうか?

 八つ裂きにされないだろうか?


 そんな心配をよそに、俺は温かな二人の身体に包まれながら、ゆっくりと深い眠りへとついて行った。



 ◇



 朝、目が覚めると、なぜか俺は綾香を抱きしめて眠っていた。

 寝返りを打った際、寝ぼけてそのまま綾香を抱きしめて寝ていたらしい。

 チュンチュンと雀の鳴き声が外から聞こえてくる中。俺は眠い身体を何とか動かして、もう一度寝返りを打ち、春香の方へ身体を向けてそっと抱きしめる。


 すると、先ほどまで抱きしめられていた綾香がモゾモゾと動いて、後ろから再び抱きついてくる。


「んん……大地君、もっとくっついて……」


 寝ぼけて言っているのだろうか、しばらくするとスヤスヤ寝息を立てて眠ってしまう綾香。


 そして、俺もまたゆっくりと瞼を閉じて、眠りについた。

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