第140話 償いのおっぱい(愛梨9泊目&優衣7泊目)

 朝――目が覚めると、そこには素晴らしい景色が広がっていた。

 俺の脇と胸元の間に顔を置き、二人の美少女がスヤスヤと寝息を立てて眠っている。


 どちらも寝ていると、あどけない表情で可愛らしい。

 って、そう言う問題じゃなくて……!


 どうしてこんな状況になっているのだろう?

 思い出そうとしても、頭がずきりと痛み、思い出せない。


「んんっ……」


 すると、優衣さんがパッと目を開けて、俺の方をぽけぇっと見つめた。


 俺と目が合い、しばしの間、優衣さんは目を瞬かせる。

 そして、顔を歪ませて、安堵した表情で俺に飛び付いてきた。


「大地君。よかったぁー!!」

「ふごっ……」


 朝っぱらから、優衣さんの黄色いタンクトップ越しのふよふよおっぱいにご挨拶。

 って――そうだ思い出した!


 昨日、優衣さんと愛梨さんのおっぱい攻撃のせいで息が出来なくなり、気を失ったんだ。


 おっぱいを肌で味わって思い出すとか、俺はもう完全におっぱい中毒者。


「んっ? 何事ぉ~?」


 愛梨さんも優衣さんの騒がしい声で目を覚ました。

 そして、目を開いた先には、優衣さんのおっぱいに顔を埋めている俺の姿。


「大地ぃ? あなた、またおっぱいで窒息する気?」

「ぷはぁっ……俺だって、したくて窒息してるわけじゃないです」


 本当だよ?

 不可抗力で窒息しちゃってるだけだからね?

 ってか、そんなに毎回おっぱいで窒息して気失ってたら、いつか死ぬ。


「でもよかったわ。大地が力なく脱力して白目向いた時は、一体どうなってしまうのかと思ったわ」

「それは、ご迷惑をおかけしました……んごっ」


 俺が愛梨さんに謝る間にも、優衣さんはもう一度おっぱいを押し付けてくる。


「こら優衣さん! 少しは自重しなさい!」


 そう言って、愛梨さんは優衣さんを俺から引き剥がす。


「えぇーせっかく気を取り戻したのだし、優しくおっぱいで甘やかして上げるのがつぐないってものでしょ?」

「何、その理論……」

「おっぱいで起こした責任は、おっぱいで責任を取るのよ!」

「なんか、名言出ちゃった!?」

「なるほど……確かに一理あるわね」

「愛梨さんも納得しないで!?」

「何、大地? 私のおっぱいじゃ不満なわけ?」

「い、いえ、そんなことは……むしろ大歓迎です……」


 愛梨さん、朝から目が怖いってば!


「ったく、大地は欲しがりさんなんだからぁー」


 軽く吐息を吐くと、愛梨さんも四つん這いで這うようにして、俺の顔の前にその豊満な胸元を差し出してくる。


「昨日はごめんなさい、大地。私たち醜い争いによって、あなたを窒息させてしまって……これは、私からの安らかな心許ないご褒美よっ!」

「んがっ……」


 こうして、今度は愛梨さんのおっぱいが俺の顔を埋め尽くす。


「あぁっ! 愛梨ちゃんばっかりずるい! 私もご奉仕させて!」


 優衣さんもむすっとした口調で、愛梨さんの胸元をどかすようにして、俺の顔に胸を押し当ててくる。


「あっ、こらぁ。今は私が責任を果たしているのよ。邪魔しないで!」

「いいの! 大地だって、二人同時にされた方が気持ちいいだろうし。ねぇ?」


 ニタぁっとした視線を向けてくる優衣さん。

 俺は口を惹き結び、無言を貫く。


「はぁ……仕方ないわね。今日だけ特別よ」


 俺の無言を肯定と捉えたのか、二人仲良く俺の顔におっぱいを押し当て、擦ってスリスリしてくれる。


 あぁ……朝からこんな贅沢なご褒美がもらえるなら、昨日窒息して意識を失った甲斐があったと思ってしまう。


 愛梨さんと優衣さんの二人による、ゆるふわおっぱいマッサージは、外出時間ギリギリまで続くのだった。

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