第139話 おっぱい戦争勃発(愛梨9泊目&優衣7泊目)

 何故、このような事態になってしまったのだろう……。

 俺は今、部屋に布団を敷いた上で、優衣さんと俺が隣り合わせで座っており、敷いた布団の横には、愛梨さんがニコッと笑ってこちらを眺めている。


「さぁ、優衣さんといつも通りイチャコラしてみなさい?」

「……」

「……」


 いやいやいや、出来るわけないでしょ!?


 今日の朝の件で、一日ずっと不機嫌な愛梨さんの前で、優衣さんとぷはぁータイムするなんて出来るわけがない。


 衆人環視しゅうじんかんしの元でやってるのと同じようなものだからねこれ!


 当の優衣さんを見れば、何やらモジモジと落ち着かない様子。


「ゆ、優衣さん?」

「んあぁ? なぁに? 大地君?」


 ダメだ――

 この人やっぱり、一人で晩酌かましてた!!


 酔っぱらった優衣さんを止める術を俺は未だに知らない。

 さらに酔わせて眠らせるか、俺が出来るだけ優衣さんに近づかないかのどちらかが正解なのだろう。


 しかし、愛梨さんがこうして監視している中では、どちらの手段も現実的に難しい。

 つまり、パフパフタイムはもう目の前に迫っている。時間の問題。


「ふふっ、ほらー大地君。せっかく彼女さんがOKしてくれてるんだから、遠慮せずにおいで?♡」

「いやっ……別に断じてOKを貰ってるわけでは……」


 愛梨さんに視線を向けると、ニコっと笑ったままこちらを見つめている。

 それが逆に怖い。


「むぅぅ……大地くーんっ!!」


 優衣さんが四つん這いのまま俺の元へ近づいてきたので、俺も尻込みしつつ後ろへ後ずさりして距離を取る。


「どうして逃げるのぉ~? ほらぁ~おいでよぉ!」


 ズルズルと後ろに下がっていくと、背中が壁についてしまう。


「へへぇー追い込んじゃったぞぉー!!」


 優衣さんが隙ありとばかりに、一気に距離を詰めてきて、両手で壁ドンされてしまい、逃げ場を失い万事休す。


 目の前には、黄色いタンクトップ越しから、優衣さんのあでやかな胸の谷間が覗いている。


 ふと顔を前に向けると、優衣さんが緩みきった表情で壁に付けていた手をずらして、俺の頭を両サイドからガシっと掴む。


「さぁて、大地くーん。思いっきりぷはぁーしましょうねぇー♡」


 そう言って、立膝になった優衣さん。

 目の前には、タンクトップ越しに主張しているたわわなおっぱいが――


 そのまま俺は、頭を優衣さんに操作され、ギューッと抱きしめられるようにして、ふよんと柔らかい乳房へと包み込まれていく。


 ぐぐぐっと顔が胸にめり込んでいっても、跳ね返ってくる弾力と包み込んでくれる柔らかい感触が同時に頬に伝わってきて……!


 あぁ、やっぱり優衣さんのおっぱいは最高だぁぁぁー。


 一瞬で、昨日屈服した愛梨さんの胸元からは一変。新たな強力な治療乳により、俺の記憶が書き換えられてしまう。

 やっぱりおっぱいは優衣さん>愛梨さんだぁぁぁぁぁ!!


 気が付けば、俺は自ら優衣さんの胸元で顔を左右に動かし、胸元の谷間を堪能していた。


 優衣さんの少し汗の香りが漂ってくるが、その匂いが俺の興奮を更に掻き立てる。

 やっぱり、優衣さんの胸元はこう親しみやすいというか、汗の香りもすべて含めて素晴らしい!


「ふふっ……もう、最初っから素直になってればいいのにぃー。仕方ないんだからぁー♪」


 優衣さんはじっとりとした口調で、さらに抱きしめる力を強め、俺の顔をむぎゅーっと自身の胸に押しつける。

 遂に身動きが取れなくなり、口と鼻が柔らかい乳に包まれて、息が出来なくなってきた。


 あぁ……やっぱり愛梨さんと違って、勝手に動いてもさらにサービスしてくれちゃう優衣さんの方が――

 そんなことを考えているうちに、あっという間に息が苦しくなってきて、俺は手を背中に回してポンポンと叩き、限界だと合図を出す。


「えぇーもう限界なのぉ? 仕方ないなぁー。それじゃあ、いっくよぉ? せーのっ!」


 優衣さんの合図とともに、軽く力を緩ませた隙に、俺は胸元を這うようにして、上へと顔を向けて、空気を求める。


「ぷはぁっー……」


 今日も、盛大なぷはぁーをかましてしまった。


 視線の先には、俺の様子を見て満足そうな笑みを浮かべている優衣さんの顔がある。


「ふふっ……今日もイキのいいぷはぁーだね♪ それじゃあ、もう一回行っておこうか!」

「ストップ、ストップ、ストップ、ストップ、ストォォォォーップ!!!」


 ここで遂に、堪忍袋の緒が切れたように、愛梨さんが大きな声を張り上げた。

 優衣さんのおっぱいを味わいつつ、二人っきりの世界に入り込んでいたらしい。

 愛梨さんがいることをすっかり忘れてた。


 愛梨さんは、手の関節をぽきぽきと鳴らして、いつでも肉弾戦のゴングが鳴ってもおかしくないような状態になっていた。


「なぁにぃ? せっかくいいところだったのにぃ~ 邪魔しないでよ……」

「何がいいところですか! なんていやらしい誘惑を私の大地くんにしてくれてるのよ!」

「えぇ? これは誘惑じゃなくて、スキンシップ♪」

「そんなことはどうでもいいのよ!」


 酔っ払い優衣さんの破天荒っぷりに、思わずため息を吐く愛梨さん。

 そして、細い目で俺を睨めつける。


「こうなったら……私もさらに一肌脱ぐしかないわね」


 そう言って、愛梨さんはおもむろに羽織っていたカーディガンを脱ぎ始め、黒と白の横縞のトップス姿になる。

 膝をすったまま布団の上に乗り、壁際にいる俺の元へと近づいてきた。


「どいて!」

「うわぁっ……」


 酔っぱらった優衣さんを手でどかす。

 優衣さんは愛梨さんに押された勢いで、そのまま布団によろよろと倒れ込んでしまう。


 すると、今度は愛梨さんが俺の頭をガシッと掴み、顔を強制的に正面へ向かせた。

 目の前に、愛梨さんのむすっとした顔がある。


「もう、私の治療で副作用と薬物症状が出るようになっても、責任取らないからね!」


 愛梨さんは、そう一言添えると、一気に俺の頭を壁に押しつけて立膝になり、半ば強引に思い切り胸を押し付けてきた。


 むにゅりと柔らかい感触が、頬全体にいきわたる。

 そして、さらに愛梨さんは、ぐりぐりと胸元を左右にこすり始めて、俺の顔を左右にぐわんぐわん揺らし始めた。


 まるで、コロコロに掃除されている猫の身体のように、顔全体が柔らかいもので擦られ続けている。

 これは……パフパフの領域を超越している!


 名前を付けるならば……まさしく、顔ズリッ!


 あぁぁぁぁー!!!

 愛梨さんの胸もやっぱり最高だぁぁー!

 なにこれ、本当に俺、生きていいのかな?


 擦られて、愛梨さんのダークな大人の香りも胸元から香ってきて、俺の鼻腔をくすぐる。

 あぁ……愛梨さんの高級感あふれるおっぱいを、こんなにも堪能していいのだろうか?


 逆に申し訳なくなってくる。


「ほら、ほら、ほらっ!! 大地、私の胸の方が断然良いわよね?」

「ふぁい……愛梨さんっ!」

「こ、こらぁ! おっぱいタイムは私だけの特権なんだから、大地くんを返しなさい!」


 すると、起き上がった酔っ払いの優衣さんが割り込んできて、愛梨さんと優衣さんによる、俺の顔おっぱいに埋める権利の奪い合い、総称して乳弾戦が勃発する。


「こっ、こらぁ、酔っ払いデカちちおっぱい! あなた、さっきからそのムチっとしたいやらしい身体大地君に押しつけて、卑怯よ!」

「えぇ? そういうあなたも、えっろい身体付きの癖に~」

「わっ、私は良いのよ。ちゃんと適度に運動やエクササイズもしてるから、しなやかさが残ってるわ」

「私だって、しなやかさも兼ね備えた上での、包容力とムチムチ感よ?」


 いがみ合いつつ、おっぱいによる押し相撲が始まっている。

 俺は今、二人の美女の巨乳に挟まれて、顔が潰れそうになっています。


 合計四つの柔らかいぷるんぷるんの弾力が俺の顔を圧迫したり、バチンとビンタしたり、むぎゅーっとされたり……。


 これは本当に現実なのだろうか?

 夢じゃないの?


「大地くんは私のおっぱいで満足させるの!」

「いーやっ、おっぱいだけなら私の方が気持ちいはずだわ!」


 二人が一気に壁に押しつけるようにして、四つの柔らかい双丘を力いっぱい押しつけてくる。

 当たり所が悪く、俺は両乳から圧迫されて、口を鼻を完全に塞がれてしまう。


「んっ……んんっ……!」


 息苦しくなり、意識が遠のいていく中、まるで波に揺られた心地よさを感じつつ、俺は視界が白く真っ白になっていった……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る