第125話 詩織の頼み(萌絵7泊目)
「先輩……先輩ぃ」
俺は二人っきりの体育倉庫の中で、息を荒げながらひたすら先輩の身体をまさぐっていた。
「もう、大地ったらぁ……そんなにいやらしく私の身体触って。そんなにシたかったの?」
「はい、今日一日中もう先輩のことしか考えられなくて……!」
俺が我慢できずに、そう言葉を漏らすと、先輩は不敵な笑みで見つめてくる。
「ふふっ……そっかぁ~。朝のチラ見せ作戦が成功したみたいね」
「やっぱり狙ってやってたんですね」
「当たり前じゃない……そうでもしないと、大地、自分から求めてくれないでしょ? あっ、ちょっとっ」
俺は、先輩をマットの上に押し倒した。先輩の練習着がはだけて、白くてスベスベしていそうなお腹と可愛らしいおへそが眼前に広がる。
黒のゲームパンツが捲れて、スラっとした肉付きの良い太ももと、黒いスポーツ用のショーツが見えていた。
そんな中、先輩は余裕のある笑みで俺を見つめながら両手を広げた。
「いいよ、来て」
トロンとした表情で、目を潤わせながら言ってきた先輩に、俺はそのまま唇を重ねて……
◇
ふと目を開けると、朝日が部屋に差し込んでいた。俺はそのまま眠りについてしまったようで、気が付いたら朝になっていた。
既に愛花は学校へ出かけたらしく、ローテーブルの上に『バーカ』と書かれた書置きだけが置いてあった。
俺も身支度に、色々とあれやこれやを済ませた後、大学へと向かった。
授業を受けている時に、萌絵からトークアプリに連絡があった。
『今日はバイトがあるから、10時過ぎにそっち向うね』
そう、メッセージが来ていた。
というか、もう泊まるのは前提なんですね……
家出事件問題が解決して以降も、萌絵は毎週のように俺の家に来ている。俺が甘やかしすぎているといえばそれまでなのだが、これ以上萌絵の悲しむ姿は見たくなかった。そう思ってしまうと、どうしても断ることが出来なかった。
俺は、『わかった』と、一言だけ返信を返して、萌絵のお泊りを簡単に許可してしまうのだった。
木曜日恒例のレポート課題を、夜遅くまで健太と詩織の3人で行っていた。
健太がバイトがあるとのことで、先に帰り、詩織と二人で課題をやっている時だった。
「ねぇ、大地」
ふと詩織が作業を続けながら話しかけてきた。
「なんだ?」
「今度の日曜日って空いてる??」
「えっ? 日曜日??」
俺は頭の中で予定を確認する。確か、日曜日は『FC RED STAR』の昼練があったはずだ。
「昼は予定あるから、夜なら平気だけど」
「ホント?!」
そう俺が答えると、詩織が目を輝かせていた。そして、自分の席を立って、俺の目の前まで来ると、申し訳なさそうに手を合わせて頼んできた。
「ごめん、今度の日曜日、バイト先の先輩たちと合コンやるんだけど、女性陣が一人ずつ男子連れてこなきゃいけなくてさ、悪いんだけど大地来てくれない?」
「えぇ、俺が……」
俺が超嫌そうな表情で詩織を見つめた。そりゃそうだ。運動した後、ノリの高い合コンなんて行きたくない。
「そこを何とか……綾香っちには内緒にしててあげるからさ」
「いやっ、だから俺は綾香とは何もないってば! ってか、俺より健太の方がいいだろ、場もわきまえてるし」
「いやぁアイツは……アハハ……」
あっ、これ健太はバイト先の人に紹介したくないって顔に出てるわ。
やっとこの間の件仲直りしたから、いいきっかけになるかなと思ってたんだけどなぁ。
「と、とにかく! 今うちが頼めるの、大地しかいないんよ! お願い! お礼は私の身体でいいから!」
「いやっ、お前の身体なんて興味ない!」
ホントだよ? 高本の身体なんてこれっポッチも興味ないよ?
それでも、必死に頼み込んでくる高本に対して、俺は遂に根負けし、はぁっと深いため息をついた。
「わかったよ、行けばいいんだろ行けば」
「マジ?」
「おう、マジマジ」
「ありがと~本当に助かるよ!!」
詩織は嬉しかったのか、人目もはばからず俺に抱き付いてきた。
「うわっ、ちょっと!! ここ図書室、抱き付くな!!」
「あっ、ごめんごめん、嬉しくてつい……」
えへへっと笑いながら、詩織はペロっと舌を出した。
「全く……」
「じゃあ、詳細は後でメッセ送るね!」
「わかった」
そう言って、詩織は席に戻ったのだが、何やらまだチラチラと俺の方を見つめてきていたのが気になり、俺が睨みつけた。
「なんだよ?」
「へっ!?」
詩織は驚いたように身体をビクっとさせるが、困ったように口を紡いでいく。
「いやぁ……なんていうかさ、そのぉ……」
詩織は、頬を少し染めながらモジモジと体をしながらチラチラこちらを見つめてきた。
「大地って、いい匂いするんだね」
「なっ……」
「アハハ……やっぱ今の忘れて! じゃ、よろしく!」
そう言い終えると、詩織はPCへと視線を戻し、再び課題の続きを作業し始めた。
「……」
そんなこと言われたら、忘れられるわけないじゃねえかよ……
詩織のことを少し意識してしまう引き金となってしまい、そこからもチラチラと詩織をチラ見して、課題を中々終わらすことが出来なくなってしまうのであった。
◇
課題を何とか済ませて、家に帰った後も、俺は詩織に誘われた合コンとやらについて考えていた。
後から詩織から送られてきた情報によると、場所は都内の巨大ターミナル駅の居酒屋で、男女合計10人で行うらしい。
合コンとか言ったことないけど、どんな感じなんだろう?
「大地ぃ……」
まあ、普通に自己紹介して飲んで戯れるって感じなんだろうか?
「大地ってばぁっ……♡」
俺は思わずため息が漏れてしまう。
「はあぁぁぁーん♡」
日曜日、愛梨さんにあった後に合コン行くんだよなぁ……なんか罪悪感が半端ない。まあ、まだ付き合るわけではないし、大丈夫……だよな?
「あっ、そこっ、だめぇぇぇー♡ だいちぃー♡」
嬌声な喘ぎ声が脳内に響き渡ってきて、俺は「はっ!」っと我に返った。
誰かに呼ばれていたような気がして、現実世界に意識を戻して目をやると、俺の腕の中で抱かれたまま、萌絵が身体をモジモジと悶えさせていた。
俺の口元が、萌絵の耳の目の前にあり、どうやら気づかぬうちに耳責めをしてしまっていたらしい。
萌絵の表情は蕩けきっており、既にふにゃりとした顔で俺をトロンとした目つきで見つめていた。
「わ、悪い萌絵、大丈夫か?」
「大地ぃ……もっとぉーもっとぉ、耳苛めて??」
目をウルウルとしながらそんなことを求めてきてしまうMっ子萌絵に対して、俺は思わず苦笑する。
そして、すぐに破顔して、やれやれといった感じで耳元に口を近づける。
「萌絵は苛められっ子だなぁ~」
「うん、うん」
コクリと2回頷いたのを確認してから、俺は思いっきりも萌絵の耳元に息を吹きかけた。
「ふにゃぁぁぁぁー!♡」
「どうだ?」
「いいよぉーもっとお~♡」
「仕方ないなぁ~」
「はあぁぁぁぁっ♡」
こうして今日も俺は、萌絵のおねだりに応えるように、萌絵の耳責めを遂行してあげるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。