第119話 手ブラ(優衣6泊目)

 また夢を見た。

 先輩の部屋で、胸に顔を押し付けられて満足そうにしている自分がいた。


 そんな俺を、子供のようにあやすようにして、よしよしと先輩が俺の頭を撫でていた

 。

「もう、大地は本当に私のおっぱいが大好きなんだから……」

「だって、疲れた身体を癒すのに、先輩のおっぱいに埋もれるのは最高の治療薬なんですもん」

「ったく、しょうがないんだから」


 そう言いながら先輩は、俺の頭に腕を回して、顔をさらにおっぱいに押し付けてくれた。

 こうして、先輩の柔らかくていい匂いがして温かい胸の感触に浸っていき、俺は……



 ◇



 朝、目を覚ますと、とても心地の良いものに乗っかっているような気がした。

 ぼんやりとした頭をなんとか起こして、瞼を開けると、そこにはスベスベとした肌色の大海原が広がっていた。そして、目の前には二つの山のように膨らんだ島があり、てっぺんはピンク色の・・・って、ピンク!?!?

 俺は一瞬で目を覚まして飛び起きた。そこには、あられもない優衣さんの裸体が……

 スっと俺は目を逸らして、近くにあったシーツを優衣さんに掛ける。



「んごっ……」


 シーツを被せた瞬間、優衣さんが目を覚ました。


「大地くんおはよう……ふぁぁぁ……」


 呑気に欠伸をしつつ、優衣さんが起き上がる。そのせいで、折角被せてあげたシーツが再びはだけ、またもや美しい優衣さんの裸体が目の前に……


「んん?? ピギャ!?」


 すると、ようやく自分の状態に気が付いた優衣さんが驚いたようにあらわになっていたおっぱいを手で覆い隠す。手で隠す瞬間ペチっと胸がぶつかる音が鳴り、胸を抱くようにして回している手からその巨乳がはみ出てしまい、よりいやらしい感じになってしまっている。


「お、おうふ……」


 俺は、そんな優衣さんの手ブラ姿を見て、思わず変な声を上げてしまう。


「だ、大地くん。み、見ないで……!」


 優衣さんは手で胸を隠しながら身体を縮こまらせて、頬を真っ赤に恥ずかしそうに染め、こちらをうるんだ瞳で見つめてくる。

何度もおっぱいに顔を埋め埋めさせの仲ではあるが、裸を見られるのはやはり恥じらいがあるらしい。


「ご、ごめんなさい」


 俺は咄嗟に優衣さんから視線を外した。


「そのままちょっと待ってて……」


 優衣さんは、俺に向かってそう言い放ち、ゆっくりと何かをし始めた。

 シーツを剥がす音や、何かを探すように手を動かしている音、しばらくすると衣擦れの音が聞こえてきたことから、服を着ているのだと察した。

 そして、チャックを閉める音が聞こえた直後、優衣さんから再び声を掛けられた。


「こっち向いて、いいよ……」


 そう言われて、俺は再び優衣さんの方を向くと、優衣さんは、近くに置いてあったグレーのパーカーを身につけてチャックを閉めていた。しかし、サイズが合っていないのか、胸の半分辺りまでしかチャックが閉まらず、ノーブラ着衣みたいな、よりいかがわしい格好になっていた。


 俺は思わずその優衣さんの姿に生唾を飲みこんでしまう。

 そこら辺のグラビアアイドルよりもエロいのではないかと思えてしまうほどに、優衣さんの溢れんばかりのその胸と身体つきはいかがわしい。そして、恥じらいながら俺を上目づかいで見つめてくる優衣さんの視線が、余計に俺の視線を釘づけにさせてしまう。


「……なっ、何?」


 俺が舐めまわすような視線を送っていたのが気になったのか、優衣さんが恥ずかしそうに尋ねてくる。


「あっ、いや、そのぉ……優衣さんはどんな格好でもエロいなと……」

「へっ!? ばっ、ばかぁ……!」


 優衣さんは顔を真っ赤にして、再び手で胸元を隠す。だが、手をクロスさせているだけなので、クロスした両腕の間から、見事なラインの谷間が丸見えだ。しかも、腕でパーカーが隠れたせいで、谷間の部分だけが見えているみたいになってしまい、またも手ブラをしているみたいに……


「も……もう! そんなにエッチな視線で見ないで!」


 ついに耐えられなくなった優衣さんは、何を血迷ったのか、俺の視線を防ぐために、胸を隠していた両手でガシっと俺の頭を掴んで、そのまま胸に押し付けた。


 ボフっとワンバウンドした後、優衣さんのたわわな胸に顔が吸い込まれていき、視界が真っ暗になった。頬には、優衣さんの弾力のある心地よいおっぱいの感触が伝わってきて、鼻からは優衣さんのエロいおっぱいの匂いが漂ってきた。


 はぁ~今日も最高だなぁ……優衣さんおっぱい。


 こうして、ある意味逆効果なことをしてしまうポンコツ優衣さんに翻弄されながらも、今日も俺は優衣さんのおっぱいを満喫する。

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