第108話 太ももver.2(愛花6泊目)
玄関へ入り、靴を脱いで部屋の奥へと進むと、愛花は荷物をドサっと置いて、中から何かを取りだしたかと思うと、再び俺の方へと近づいてきて、そのままギュっと抱き付いてくる。
「大地、今日はさらにサービスしてあげるね」
「お、おう……」
もうなんだか、そういう系のお店に通い詰める常連さんみたいな感じになってるな俺。愛花も大概だけど。
そんなことを思いつつ、愛花が俺から一旦離れると、今日の愛花による夜の授業の準備が始まった。
愛花は手に持っていたソレを履きだした。
持っていたのは黒タイツ。スラっとした綺麗な足が密着するように黒タイツに覆われていき、コーティングが完了する。俺はその黒タイツを履いていく姿をまじまじと観察していた。
愛花は両足に黒タイツを履き終えると、チラっとこちらを見て、ニヤリと満面の笑みを浮かべた。どうやら、愛花はワザと俺の目の前でタイツを履き、見せつけていたらしい。まんまと術中に嵌ってしまった。
「おまたせ、変態お兄ちゃん。それじゃあ、こっちに寝っ転がって」
「お、おうふ……」
俺は、そんな気持ち悪い返事を返して、心の内では期待感を露わにしながら、愛花の言われる通り、地べたに寝っ転がる。
「目ちゃんと瞑っててね」
俺は素直に目を閉じた。
「よし、いい子いい子。ちょっと待っててね」
愛花に手懐けられた子供のように、俺は仰向けで目を瞑ったまま静かに待っていた。
すると、先週同様、両肩辺りに愛花が足を乗っけ、脇腹辺りまで伸ばすと、ガシっと俺の頬に黒タイツ越しの太ももをムニュっと押しつけてきた。
「はぁ~」
俺は思わず感嘆のため息を吐いてしまう。前回の生足とは違い、少し張りのある弾力が頬に染みわたり、これはこれで最高だった。
「どう? タイツ越しの生足も、また一興でしょ?」
「あぁ……これはこれで最高だよ」
俺はそのまま愛花の太ももを手で鷲掴んだ。
「んっっ……!」
愛花は、一瞬驚いて吐息を漏らしたが、すぐに気を取り直したのか、俺が揉みほぐしやすいように体制を整えてくれる。
そして、先週と同じようにめくり上げていたスカートを俺の顔の上に置き、スカートの中へと導いた。
生足よりも締り具合が良く、とてもスベスベとした触り心地になった愛花の太ももは、最高のクッションのような感触だった。この心地よさに導かれるように、ついつい欠伸が漏れてしまう。
「お兄ちゃん眠い?」
欠伸を聞かれていたらしく、愛花が尋ねてくる。
「ん? あぁ……ちょっとね」
「そっか。じゃあ、ちょっと一回ストップね」
愛花は、一旦俺の顔から太ももを離して立ち上がってしまう。
俺が少し物寂しい気持ちで愛花を見つめる。すると、愛花は「仕方がないな」っと言ったような表情で、再び俺の近くに正座した。そして、手をポンポンと叩き、俺を導いてくれる。
「おいで」
俺はその甘い誘惑に導かれるようにムクっと頭を起き上がらせ、頭を愛花の太ももの上に乗せた。
温かくて心地よい愛花の膝枕は、俺の眠気を誘うのには十分すぎた。
直後、俺の頭をポンポンと手で愛花が撫で始めたのも加勢し、目が段々と重力に負けて閉じられていく。
「お休み、お兄ちゃん」
愛花が優しくそう語りかけてくれ瞬間、俺は安心したように完全に目を閉じて、眠りに落ちていった。
◇
ふと目が覚めた、何か柔らかいものに包まれて横になって寝ていた。下を確認すると、黑いスラっとした伸びたものが見える。
俺は寝る前のことを、寝ぼけた頭で何とか思いだす。
そうだ思いだした! 確か愛花に膝枕をしてもらってそのまま寝落ちしちゃったんだ。ということはこれは愛花の足か?
状況を理解して頭を上に上げると、目の前に美少女の可愛らしい寝顔が現れた。
「うっ……」
あまりの近さに思わず顔を気持ち引いてしまう。どうやら愛花も俺を膝枕していた後、そのまま正座した状態で、前かがみになって寝てしまったようだ。よって、今はあどけなさ残る可愛らしい愛花の顔が目の前にあり、お互いの吐息がかかりそうなくらい近かった。
目線を逸らして、TVの上にある掛け時計に目をやると、時刻は夜中の1時を回っている。
俺はなんとか顔を横にスライドさせて愛花の膝枕から降りた。
すると、愛花もその気配に気が付いたのか、目を少し覚ました。
「愛花、起きろ~」
「んんっ……」
目を擦りながら体制を起き上がらせる愛花だが、再びグラっと不安定に頭を揺らしながら眠りこけてしまいそうになる。
「はぁ……仕方ないな」
俺はスっと立ち上がり、部屋の隅に置いてあった布団を敷いて本格的に寝る準備を整える。
「よしっ」
準備を終えて、再び愛花の方へと戻って声を掛ける。
「愛花、布団敷いたからそっちで寝ような」
「ん~」
愛花は寝ぼけながらなんとか返事を返してくれる。
「寝巻きに着替えるか?」
「ん~いい、このままで……」
そして、愛花はそのまま倒れ込むように俺に身体を預けてきた。俺はそんな愛花の身体をガシっと両手で受け止める。
制服にしわが付いてしまわないか心配ではあるが、愛花がこのままでいいって言うならいっか。
「よし、じゃあ、ちょっと移動するぞ」
「うん」
「せーの!」
俺は何とか愛花の抱きかかえて、足を引きずりながら布団へと移動させていく。
ここでお姫様抱っことか出来たらカッコいいんだろうけど、俺にそんな力はありません。
「うぅ~」
「頑張れ、もうちょっとだ」
なんとか布団の前まで到着し、俺は最後の力を振り絞り愛花の身体を持ち上げて布団に上に乗せた。
「よし、到着したぞ」
「うん……」
愛花は安心したように完全に力を抜き、全体重を俺に掛けてきた。
俺もその愛花の身体の重みを受け止めつつ、そのまま横になって枕に倒れ込む。
枕元に事前に用意しておいた部屋の電気のリモコンを手に掴んで、消灯ボタンを押して部屋を暗くした。
ふぅ……っと一息吐いてから、俺の上に乗っかってスヤスヤと眠ってしまった愛花の頭を撫でながら、心の中で『今日はありがとう。お疲れ様』と感謝を述べつつ、深い眠りへとついた。
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