第33話 優衣さんの胸枕(優衣2泊目)
優衣さんは、結局缶ビール3杯を飲みほし、今は俺の隣に来て仕事の愚痴をぺらぺらと嘆いている。
「でさぁ、その上司がさぁ~、ちょ~ムカつくんだよ」
「あはは……それは確かに面倒くさいですね」
俺は苦笑しながら、優衣さんの愚痴に相槌を打つ。
「でしょ~。ヒッ!でぁ……」
優衣さんは残っていた缶ビールを一気に飲み干す。
「大地く~ん。慰めて~」
優衣さんはフラフラとなりながら、俺の方へ身体を預けてきた。
「あ~ちょっと、優衣さん飲みすぎですって!」
俺は慌てて不安定な優衣さんの身体を支える。
「社会人なんてね~。このくらい、飲んで。嫌なこと忘れないとぉ~、やってられないのよ~。はぁ……大地くんあったか~い~!」
優衣さんは心地よさそうに、顔を俺のお腹の辺りに埋めて、スリスリしていた。
「ちょっと優衣さん!」
俺が思わず引き剥がそうとすると、優衣さんの力がふっと抜けて、そのまま俺の太ももへ顔を落とした。
「だい…ち…くん…」
そう言い残しながら、スースーと寝息をたてて眠ってしまった。
俺は大きなため息をついた。
全く優衣さんは仕方ない人だ全く……そう思いながらも、しばらく優衣さんを膝枕して寝かせてあげてしまうのだった。
◇
30分ほど経ち、足がしびれてきてしまったので、なんとか優衣さんの頭を座布団の上に移動させて、食事の片づけに入る。
机の上には、優衣さんが飲み干した缶ビールの空き缶が散乱していた。俺はそれをシンクへ持っていき、余った食事やお皿などを整理した。
一通り片づけを終えて、優衣さんの元へ戻る。
「優衣さーん」
「んっ……」
俺が声を掛けると、反応はしたものの、身体を少し動かして、再び寝息をたてて眠ってしまう。
こりゃしばらく起きそうにないな……俺は頭を掻きながらも、優衣さんに毛布を一枚そっとかけてあげた。
◇
シャワーを済ませて寝る準備を整えた。時刻は夜の11時を回っていた。
俺は優衣さんの身体をゆすって起こした。
「優衣さん、起きてください」
優衣さんはゆっくりと体を動かして「ん~」という声を出して反応をするものの中々起きようとしない。
俺は毛布を一気に引き剥がした。
「どわっ!」
そこには、水色のブラとパンツだけを履いた、下着姿の優衣さんの身体があった。俺は慌てて毛布を掛け直して、そっぽを向いた。
「ん~」
優衣さんは再び布団を掴んでモゾモゾと潜ってしまう。
こりゃこの前酔っぱらった時と同じで、しばらく起きそうにないな……
「はぁ~……」
俺は大きなため息をついて、優衣さんを起こすのを諦める。
来客用の布団を取りだして、自分の布団の隣に敷いた。
再び毛布にくるまっている優衣さんの元へ行って、肩を叩いた。
「優衣さ~ん、布団敷いたんでそっちで寝てください」
「う~ん……」
優衣さんは眠そうにしながらも、向くっと布団にくるまったまま起き上がった。
意識が朦朧としているのか、それとも酔っぱらっているせいなのか足取りがかなりふらついていて危なっかしかったので、慌てて優衣さんを支えてあげる。
支える瞬間に一瞬柔らかいお尻を触ってしまった気がしたが、気にしないようにして布団まで連れていく。
優衣さんを無事に布団の元まで連れていき、無事に寝かせることに成功した。
「ありがとう~」
優衣さんのだらしない声が聞こえてきた。
「別にいいですよ、明日は何時起きですか?」
「ん~。6時……」
「わかりました。じゃあ6時にタイマーセットしておきますね」
「うん……ありがとう~」
そう言い残した優衣さんは、再び毛布にうずくまり眠りについてしまう。
俺は目覚ましを6時にセットして、自分の布団へ足を入れた。
部屋の明かりのスイッチを消して、部屋を真っ暗にしてから布団に寝っ転がる。
優衣さんにお酒を飲ますのはもうやめよう、そんなことを思う一日になった。
◇
朝、目覚めると柔らかい弾力のあるものに包まれているのがわかった。
目を開けると、そこには水色の布地の物と、二つの柔らかい膨らんだものに俺は顔を埋めていた。
俺は目を開けてぼおっとしていたが、頭が冴えてきて状況を理解した。
また優衣さんが、俺の布団に侵入してきていたのだ。そして、前と同じように下着姿のまま、俺の頭が大きな胸に押さえつけられている状況であった。
2回目ということもあるのか分からないが、なぜだかこの状況に慣れてしまっている自分がいた。
俺はふと綾香に抱きしめられた時のことを思いだした。
あぁ…そうか。2日連続で女性の胸の中に顔を埋めて俺は寝てるんだ…だからなんか慣れてるというか心地よさまで感じている・・・ってダメだろそれじゃ。
俺は頭の中で否定するものの、体が完全に胸に顔を埋めて寝る心地よさを知ってしまい。その場から動く気力が起きなかった。
それに、優衣さんの胸は形も整っており、かなりでかい。そんな胸に顔を埋めることが出来るのならば今が幸せなのではないか?そんなことを考えてしまっている自分もいたのだ。
すると、優衣さんが俺の頭を抑える力を強めてきた。俺はなすままに柔らかい枕へと吸い込まれていく。
頬に柔らかい触感が当たり、ほんのり香る優衣さんの甘い匂いがとても心地がよかった。
俺は結局この後、優衣さんが起きるまで快楽に身を任せ、優衣さんの胸枕をたっぷりと堪能したのであった。
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