あたらしいあさ

第9話 響け!ジャパリビート!!


 お昼を過ぎて、それから大分たった

 少しずつでも動いておかないと……

 

 「のーだのだのだのだのだのだのだのだのだのだのだのだのだ……のだアァッッ!!」


 ぼく達は、お外で仕込みをしている最中


 「出た!?アライさんの、のだのだラッシュ!!」


 「フェネックさん、アレって何!?」


 普通、お料理をする時は、やり易いテーブルの上で立つか、座るかでやるものだと思うんだけどアライさんは、宙に浮いたまま……


 「うーん、わたしもー、実はなんなのかよくわからないのさー……」

 「えぇ……」

 「でもね?そんなアライさん、見てるだけで元気出てくるから、なんだって良いかなー?」


 微笑むフェネックさんから視界を移すと、アライさんは、うどんを打っている

 コレまたどこからか臼と杵を持ってきて


 「はいよっ!」

 「のだ!」

 「はいよっ!」

 「のだ!」

 

 おもちを作るみたいにうどんのもとをついている

 そして、アライさんは相変わらずエクストリームな動き……


 「のだ!……コレくらいにしてやるのだ!!」

 「アライさん、休んでてよ。わたし、あっち手伝ってくるねー?」

 「待つのだフェネック!アライさんもいっしょにいくのだ!」


 「あ、僕の事は気にしないで。日焼けしに来ただけだから」


 日向ぼっこしつつ、大きな銀色のぼく程の大きさもあるお鍋で


 「ふぅ……」


 一杯、何かやっていた


 みんなやる事が有って頑張っている

 ぼくはと言うと


 「キュルル!火を起こすです!!」

 「コレを使えば良いのかな?」


 紙と虫眼鏡が渡され……

 

 「二人とも、何で後ろを向いてるの?」

 「われわれは、かしこいので」

 

 お?煙が出てきた!!


 「コノハ博士、そろそろ火が着きそうだよ!」

 「じゃあ、それをもってわたしについてくるのです!」

 「時々、ふーふーするですよ?」

 

 「出来たのだー!」

 「はかせー!こっちはくべ終わったよー?」

 「でかしたのです!!おまえたちはやすんでるといいのです」


 「だってさ、アラーイさんっ」

 「はいなのだ!」


 歩きながらやっぱり二人はぼくに背中を向けたまま、蟹さんみたいに器用に横に歩いていた

 

 ここは、研究所のお庭にある野外キッチン


 かばんさんもよくここでお料理するんだって

 アライさん、もといアライさんウーマンとフェネックウーマンが木をくべてくれたんだけど、釜戸の周りはとってもキレイで、「ここ出来たばっかりなんじゃないの?」と思えるほど

 

 煙の出ている紙をそこへ置き、ふーふー


 「よし、火が着いたよ!」

 「コレで調子を調えてあげるのです!」


 息を吹き掛ける筒を渡してもらって、ぼくは火に命を吹き込む

 やっぱりミミ助手、苦手なのかも?

 相変わらず蟹さんの動き!


 「わ、わたしが、かんとくしてやるので、あ、あんしんしてことにあたるのですよ?」


 あらら、コノハ博士、細くなっちゃってる……


 「お鍋に、お水を入れに行くですよ」

 「入れてきたよ」

 「でかしたのです!!」

 「話が早くて助かるのです!!」


 規格外の説明不要ッッなティーカップ

 

 それを


 「そーっと、そーっ……」

 「こら!セルリアン!!なにぼーっとしてるのですかぁっ!!」

 「いや……見とれちゃってつい……」

 「……仕方の、無い事なのです」


 気を取り直して……


 「うおッッ!」


 「洗って来たのだ!」

 「キュルルさん、後はおねがいねー」

 

 休憩していたはずのアライさんとフェネックさん


 木に凭れ、座って一度呼吸をした後「洗うのだ!なんでもいいから洗いたいのだ!!」と突っ走るアライさんを「じゃあ、ついていくよ!」とはフェネックさん


 ぱんっ!と気持ちのスカッとする華麗なナイスタッチを決め、休憩に戻っていった


 「二人ともありがとう!」


 アライさんウーマンとフェネックウーマンはゆっくりとこっちに手を振ってくれる


 よーし、ぼくも頑張るぞ!!


 後ろには、なんと!食材を喜ばせるテーブルが!!


 しょりしょりそっと静かに皮を剥くと、ちょっと恥ずかしそうに「優しく……してね?」と話し掛けてくるかのよう


 「にんじんさん……綺麗だよ……」


 そんな……アタシ、恥ずかしい……っ!

 

 右手を下に移せば、スライド式の引き出しに調理器具が取りやすい様にずらりと並べられている


 「博士、やはりキュルルはヒトですね……じゅるり……」

 「えぇ、われわれがいわずとも、どうぐをきようにつかいこなせているのです!……じゅるり……」



      たんたかたん!


 

 「お……?」


 軽やかに包丁でリズミカルに……そしてまな板の上は、ぼくだけのジャパリビートを……高らかに奏でる!!


 「二人とも、火が怖くないの?」

 「たしかに、われわれ、ひはにがてなのですが」

 「それよりも、お前の楽しげな旋律を、より近くで聴いていたいのです……」


 「いいねぇ……」

 「おー!うぇるかむとぅー?」

 


    ジャパリっストーリー!

 

  ほぉら?響き渡るはーずだーよっ!

  わっらい声のハーモニー!

  鳴っり止まない、シーンフォニー!!


 「あはは!みんな上手だね!!」


 沸騰するまでにはまだまだ掛かるけど、かばんさん農園からアライさんが連れてきてくれたこの子達は、もうお風呂に入りたがっている

 お鍋が「カモーン!」と、お野菜達を歓迎していた

 艶やかな柔肌が目に眩しい……

 

 胸の高鳴りを抑えつつ、ぼくはそっと湯船に入れてあげ、「おいしくなぁれ」と魔法のおまじないを掛けてあげる……


     「たっだいまー!」


 お?サーバルさん達も帰って来たみたい


 「がうがう!がうっ!!」


 笑いながらアムールトラさんが、とても楽しそうにぼく達にお話してくれる


 「キュルル!ご覧なさい!!」

 「ぎょーさん連れてきたでぇ!!見てみぃ!ごっつ旨そうやろぉ!!」

 「おお……!!」


 どっさり!  

 かばんさん達は、途中で親分さんこと、ゴリラさん率いるジャングルチームと合流し、みんなで収穫してきたんだって!


 「いやー、途中デッカイ川が有ってな?ワニ二人に助けてもらって、めっちゃ助かったわ!!ウチらだけなら流されてしまうトコやったわ……」

 「役に立てて、嬉しいよ」


 「トッコウヤロウドモデタイクツシナカッタゼ!」とコマンドーさんは今日一日を興奮気味に振り返る 


 「キュルルさん、横、おじゃましますね?」

 

 勝手知ったる台所

 かばんさんは、慣れた手付きで

 

 「かばんさん、宜しくお願いします!!」

 「お任せください!!」


 解りきっている、だけどぼくは敢えて聞いてみた


 「かばんさん、それは?」

 「マツタケです!!」


    「な、なんだってー!?」


 キノコの王、マツタケ

 薫りを想像しただけで……っくぅ~たまらない!!

 ちなみにぼくは、一度だけ食べた記憶がある

 

 「かーばんちゃんが、たんたかたん!」

 「サーバルちゃんと、たんたかたんっ!」


 かばんさんの横にはいつの間にかサーバルさん

 ふわりとキノコ達を宙に躍らせると


 「うみゃみゃみゃっ……!!」

 

 下に置いたかごに、洩らすこと無くおめかし完了!


 「サーバルちゃん!」

 「んっ!」

 

 二人とも互いを見ずにグータッチ!

 

 「イリエワニさん!出番ですよ!!」

 「よし来た!!」


 お米を磨いでいる

 まさか、またアレ……食す事ができると言うのか……ッッ!!


 釜戸の周りはお祭り騒ぎ!

 みんな、その場その場で楽しんでいる


 「じっと待ってるのは勿体無いっちゅうモンや!」とはお姉さんのヒョウさん


 少し目線を遠くに移すと親分さん、アムールトラさんに何かを教えている真っ最中


 味見をしてみるとお味もちょうど頃合い……


                            


     時は来た……ッッ!!   


 


 「キュルル?」

 「おや、これはカラカルさん。何ですかな?」

 「いや……やっぱりあんた、変わってないなーって……」


 ぼくは、分からなかったけど険しい顔をしているらしい


 →↑←→↑←→↑←→↑←A+A+B


 森の恵み、そして、連れ帰ってきてくれたみんなに感謝……


       頂きます……


 先ずは一口……

 うん、お野菜達が溶け合い、まろやかなハーモニーを奏でてくれる……

 シメジ、マイタケ、ナメコ……キノコ界オールスターの顔ぶれは、時にソロで、時にはデュエットでお口の中が幸せ……

 一口毎に味を変え、お野菜と親和性のあるふくよかな味わいへと徐々に変わってゆく


 「かばんちゃん、コレいいにおいだね!!」

 「そうだね、サーバルちゃん、このキノコはね?」


 サーバルさん、マツタケご飯はお初なんだとか


 「うわぁい!お口の中にいいにおいがいっぱい広がるよ!!」


 ぼくもお口へと……

 

       美味しい


 この一言に尽きる

 お米の具合は

 

 「私達、お水の様子を肌で感じるのはお手のものなんです!」


 メガネカイマンさん、ご飯のお世話をしていた時から「結果は解りきっていた」と自慢気に話してくれる


 水加減、温度が極り、最高峰の炊き上がり!!


 「がおっ!……はふはふ……がおがお!」

 「はいはい、少し待って下さいね?まだまだたくさん有りますよ!」

 「がおー!」


 美味しいは、誰関係無く共通の幸せ……

 それに、楽しいお友だち


 ここでまた、名言が一つ……


 「おいしいものを、たべてこそのじんせいなのです!!はふはふ……」

 

 「博士、それ前にも言ってたじゃーん!」


 「サーバル、だいじなことはにどいうものなのです!!」


 なにやらミミ助手、懐より禍々しいオーラを放つ瓶を取り出し……


 「快楽物質、βエンドルフィン……なぜ辛いものを食べると、キモチイイが押し寄せるのか……その答えがコレです。試してみたい子は……挙手!!」



        がおっ!


 「……ッッ!?」


 誰よりも早く、瞬きをするよりも早いスピードでアムールトラさんが手を挙げた!!


 ミミ助手の懐よりちらりと見える文字はこう書かれている


       

       Hellソース



 あまりよく理解らないけど、声に出してみるととても危険が危ない香りがする…… 


 「すんすん……ぐわおおッッ!?」

 

 仰け反った!

 「だが負けぬ!」と言わんばかりに瓶を凝視するアムールトラさん


 恐る恐る爪の先、ほんの僅か載せ、ぺろり……


   「うがあああああああ!!」


 雷がすぐ側、直撃こそしなかったものの、それに近いショックがぼく達を襲った!!


 「ひーん!」


 涙目になりながら、怯えるミミ助手に震えながら「もう一口ちょうだい?」と仕草を見せる


 「かかりましたね……?」


 ミミ助手も強かった!

 二人とも恐る恐る、「触れ合う」


 二口目も、やっぱり雷に打たれたんだけど、三口目から、汗を流しながら


 「がぁう……いいっ……!あっ……もっ、と……!!」


 親分さんは「暴れてしまうと厄介だけど、大丈夫そうだ……よかったぁ……」と、強張った表情から緩み顔に戻る


 「やらないといけない」事は、かばんさんやコノハ博士、ミミ助手と一緒にアムールトラさんに、色々と教えるからって事


 コノハ博士のお知り合いにライオンさんや、ヘラジカさんって力自慢のフレンズさんが居るそうなんだけど、とても遠くに住んでいる、それに、みんなが寂しくなっちゃうから呼ぶ事が出来なくて、そんな悩んでいる三人を親分さんは、お助けする事になったとコノハ博士は教えてくれた


 「親分、あんた、水クサイやないか、それならハナっからうちらに言うてくれたら……」

 「見てくれたら解ると思うが、この子は今でこそ良くなってくれたが、今でも常に危険と隣り合わせなんだ」

 「あたい達じゃ、助けになれないって言うのかい……?」

 「そうじゃない。この子が仮に暴走状態になった時、一人で大きな樹を腕一本、それも一撃で倒すし、地面にも大きな穴が開く。止める事が出来るのは私しか居ないんだ!!」


 「あの、親分ちょっとええか?」

 「どうしたクロ?」


 「あんさん、一人で何でも抱えるクセあるやろ?ウチらも出来る事ちょっとずつでええんや、手伝わせてくれまへんか?」


 「だから、さっきも言ったじゃないか!!……同じ事を……」


 「ふっふっふ……親分さん、こんなステキな言葉、知ってるか?」


 「なにぃ?」


 「かばんさんはな?アライさん達に教えてくれたのだ!!」



    

    困難は、群れで分け合え!   


 


 「なのだ!!」


 「ボク、そんな事言ったかなぁ……?」

 

 「かばんさん、今までアライさん、ううん……みんなはその言葉が有ったから頑張って来れたのだ!!」

 「そだねー、アライさんの言う通りだよー!」

 「かばんちゃんが食べられちゃった時だって、わたしが食べられちゃったその後だって……!!」


 「みんな……ボク……」


 「だからゴリラさん、時には誰かを頼る事も大切なのだ!!」


 「アライさん……エエ言葉やね!!シュッとしてはりますなぁ!!」

 「親分、急にとは言いません、ですが後々は、私達も!!」

 

 「お前達……!」


 「が、がん……ば、る……!よ、ろ、し……く、!た、の……む……!!」


 「……ゴリラ、いままでおまえのなやみにきづいてやれなくて、ごめんなさいなのです……」

 「ですが、私も、いえ、我々もお前を支える家族として、と言うのはあまりにも勝手過ぎるでしょうか?どうか、お願いです。一人で抱え込むのだけは止めて頂きたいのです」

 「ひとしれず、なやんでいたかとおもうと、われわれ、ひどくこころがいたむものなのです……」


 親分さんは、止まらなかった

 そして親分さんに寄り添い、ただ静かに見守るだけだった……


 ↑←→↑←→↑←→↑←→↑←→A


 「何事ですか!?」


 「あら、ダブルスフィアじゃない。よかったらあんた達もどう?」


 アムールトラさんの大声を聞きつけ、駆け付けたんだって


 「び、ビースト!!何故、こんな所に……それに、巨大セルリアンまで……」

 「安心なさい、襲ってきたりなんかしないわよ?」

 「だ、騙されるもんか!」


 「センちゃん、オルマーさん、こっち来てよ!」

 「わ、我々はここでしばらく様子を見るのです!」

  

 本当は、一緒に食べたかったんだけど、無理にやるのは良くないから……

 なんだか、残念だな……


 と、ここでアムールトラさん 


 「ぐるる……」

 「分かった、ちょっと待ってて……」


 器を二つ、ぐいぐいぼくに渡す

 二人分お鍋から入れて


 「はい、熱いから気を付けてね」

 「がおー!」

  

 トレーを、持っていく手つきはやっぱりぎこちない

 頑張って、アムールトラさん……


 お鍋に蓋をしたら、ぼくも後から着いていき、様子を見ることにした


 「ぐるる……」


 「た、食べても良いのですか?」

 「変なもの入ってないよね!?」


 すると……


 「ちっちっちっ……がおっ!」


 指先を二人の前で振り、仁王立ちをして見せる

 

 「心配なら、ぼくが一口食べてから、なんてどうかな?」


 「い、良いのです!せっかくなので頂きます!!」

 「センちゃん、どう……?」


 一口入れたセンちゃんにオルマーさんは恐る恐る聞いてみる……


 「……一度ならず、二度も……私達の完敗です……とっても美味しい!!」

 「え!?ホントに!?」


 「それは良かった!……あれ?」


 「どうしたのです?」

 「居ないんだ……」

 

 さっきまで横にいた……

 「キュルル!上です!!」

 「うわぁっ!」


 月が登りつつある夜空には、僅かな明かりを反射して、瞳に黄色の輝きを宿した「ビースト」の姿が

 

 地面に、ズドンと乱暴に着地すると


 「がおっ!」

 「アムールトラさん、これは、止した方が……」  

 「がう?」

 

 ミミ助手から貸してもらった「例のアレ」


 「何ですかコレは?」


 舌をつまんでヒーコラしつつ……


 「センちゃん、食べてみようよ?」

 「まぁ、これも調査って事で……」


 反応は解りきっていて、二人とも辛さの余り、まるまってコロコロしだした!


   どん、どんどどんどん……

 

 「はっ!!」

 「アラーイさーん!」


 後ろから、まな板に強くうどんを叩きつけるリズムが……


    ぱんぱん!ぱぱぱぱんっ!!

 

 メガネカイマンさんが手で刻み始め……?


 「みんな!行きますよ!!」

 「あんただけズルいで!うちもやる!!」


 ヒョウ姉妹が大地を打ち鳴らし始めた


 ぼく達も、駆け足!


 「クォレは……!」

 「センちゃん!オルマーさん!アムールトラさん!行こう!!」


 捻り鉢巻き姿がカッコいいフェネックさん、木の棒でセルリアンさんを激しく叩くと

 

 「サッ!!」

 「破ァッッ!!」


       ピィーッッ!!


 かばんさんが景気よく指笛を天華の一音響き渡らせる 


 「サーバルちゃん!踊ろうか!!」

 「うん!しっかり着いていくよ!かばんちゃんっ!!」


 コノハ博士、ミミ助手も……?


 「ガラじゃないのですが……」

 「まぁ、良いじゃないですか!さぁ、私の手をお取り下さい……」


 打ち鳴らすビートは、より激しくより高らかに!!


 「キュルル!」

 

 カラカルさん、ぼくに手と足を使った大地の鳴らし方を教えてくれる

     

     言葉じゃないんだ!


 自然と、広い場所に集まり始め?


 「さぁ、おまえたち!そのみにねむるやせいを……」

    

      解き放つのです!!


 コノハ博士の合図と共に、みんなの目が輝き始めた!!

 三日月の薄暗さも相まって、昼間よりも明るく、キラキラしてて、夜空にきらめくお星さまに負けない……いや、それ以上!!

 名前を付ける事が出来ないたくさんの色たちが、ぼくの目にどっと飛び込んでくる!!


 「さぁ、ヒョウ姉妹!あたい達と勝負だよ!!」

 「望む所や!クロ!カマしたるでぇ!!」


 みんなの前に高いジャンプで登場し、ダンスバトルが始まった!


 「これはっ、どうだい?」

 「ハッ!そっちがソレならこれはどうやぁ!!」


 千の手とも言える手の動きに対し、千のステップで応える

  

 「なかなかやるじゃないか!」

 

 四人の動きが組合わさり、やがてそれが、みんなに伝染って行く


      どんっどんっ!

      ポコポコっ!!


 「私の事、忘れてもらっちゃあ困るよ!!」


 心震わせるセルリアンさん太鼓に胸を叩き、粋なアクセントを添えたら祭り囃子も最高潮!!


 「かばんちゃん!」

 「うんっ!」


 ステップ!ステップ!息のぴったりと有ったタップに


 「がおー!」


      だんっだん!


 アムールトラさんも加わる!!


 「センちゃーん、珍しくノってるねー!」

 「身体が……勝手に……!くっ、悔しいっ!!」

 

 ギクシャクしてたダブルスフィアチームも、流れに身を任せれば、あら不思議!


    「みんなあつまれー!」


 サーバルさんが、指を力強く天を衝けばそれが合図になって、手の動き、足の動き、身体の動き、そして、心が一つになって

 

     「サアッ!サッ!!」

  「そいやっさ!ちょいやっさっ!!」


 フレンズのみんな、ヒトであるかばんさんとぼく、セルリアンのセルリアンさん、ビーストのアムールトラさん


 今、この場では、そんなのとてもちっぽけなもの


     「けものはいても?」

   「のけものは居ないのです!」


 それが、ここには有った……

 

   「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


    どんどんどんどんどんっ!!




  

    よいさっ……破ァッッ!! 






 誰に教えられた訳じゃなく、誰に教えてもらった訳でもない

 ぼくも、なんで出来たのかは解らない

 それは、みんなも一緒なんじゃないかな


 みんながみんなを称え合い、気持ちの良い汗が流れる

 この出来事を描きたくて、ぼくは心に強く焼き付けたんだ


   「おうどんできたのだー!」


 「おぉ!!アライさんでかした!ぎょーさん動いたさかい、腹ァ減ってもうたわ!」

 「じゅるり……」

 「がおー!」


 お月様が真上から、降り始めてもみんな元気いっぱい!




 研究所のお庭での夜はまだまだ、明けそうにない


 

 

 

 しゅっぱつしんこー!ジャパリパーク!!



 


 


 


  


 


 


     


  


 


 


   

 


 


 


 


 

 


   


 


 


 


 


  

 


 


 


 

 


 


 

 

 


 


 


 

 

 


 



 

 





 

 


 


 


 

 

 


 

 


 

 


 


  


 


 


 

 

 

 


 

 

 

  

 

 


 

  

 


 


 

 

   

  

 

     


 


 

 

 

  


   


 

 

 


 


 


 


 


  


 


 


 

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