僕の糸の先に待つ君

@tsunamayo

第1話 僕



『あの人の糸...薄い。』



とある都内の高校。


空っぽの教室、窓際の席。


空いたままの窓から吹く春の風がカーテンを踊らせ、そのまま僕の元へと通過していく。


僕の席から見えるのは校庭。


放課後、ここから部活にはげむ生徒達の姿を見るのが日課だ。


サッカーの練習に取り組む姿。


青春だなーーとぼんやり眺めている中、一人の生徒へ目がいった。


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僕には、特別な能力がある。


人と人同士に繋がる真っ赤な糸。


これが、僕には見えるのだ。


それが「運命の赤い糸」だと知ったのは、僕が中学1年生の時。


年頃のクラスメイトたち。


"◯◯と××が付き合っている"という噂がたちまち耳に入るが、


そのどの男女も、お互いに赤い糸が繋がっていた。


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