第3話 初出勤 ②
どこを歩いているのか全くわからないまま、暗闇のなかを美少年スターは歩き続けた。そんな彼を、暗闇のなかで待ち伏せしている筋骨たくましい、大柄な男がいた。
男は、突然後ろから襲いかかり、美少年スターを羽交い絞めにした。美少年スターは驚き、その太い腕から逃れようと必死でもがいたが、まるでびくともしなかった。それでも抵抗を続ける美少年スターに、男は面白がって体をよりきつく締めあげた。
「もう、いいだろう」という言葉とともに、パッと電気がつき、隠れていた者たちが姿を現した。
彼らはみな、この国が誇る秘密諜報機関の職員だった。
「全然ダメですよ、こんな奴! もうちょっと手ごたえがあるだろうと思っていたが、まるでやられっぱなしだ。こんな奴とは、組みたくありませんね。足手まといになるだけだ」
と、大柄な男は吐き捨てるように言った。しかし美少年スターを羽交い絞めにしている腕を緩めようとはせず、逆に力を入れて締め上げた。そしてつぶやいた。
「お前、少しは頑張れよ。女だってもうちょっと抵抗して頑張るもんだぜ。手加減してやってるのに、なさけない」
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