籠の中の鳥

籠にいる鳥のような気分で私は青空を眺めていた。伊集院君に対するこの想いは一体何なのだろうか?

(切なくて苦しいな)

この想いが彼に届くのなら。

私は何を望んでいるのだろう?

よく分からない自分の気持ちに悩まされる。本当に彼の事が好きならそれに相応しい女性にならなきゃいけない。




「高丘、髪濡れてるな」

東山君が私の濡れた髪を見て言った。

朝早く起きて学校へ登校した時に雨で濡れたからだ。まさか雨が降るとは思いもしなかった。彼は私を見ながら溜め息をつく。

「伊集院とは付き合うなよ」

どうしてそんな事あなたが決めるの?

あなたは彼の事を何一つ分かってないくせに。私は彼の事が好きで好きで仕方ない。

「東山君、あなたには関係ない」

私は彼にそう言って教室から去った。




最終回「夏は終わらない」へ続く






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