おまけ

第三章のIFストーリー

その日は彼とLINEのアドレスを交換して家に帰宅した。夜遅くまでスマホにある伊集院君の連絡先ばかり見ていた。

伊集院君にキスされた事を思い出して私は思わず顔を赤くする。

委員長、俺だけ見てくださいよ。

彼の声の余韻が私の耳元で残っていた。

早く彼に会いたいな、なんて私は思った。



おまけ

「ちょっぴりエッチな青春」

高丘、伊集院の奴がまた授業サボったらしいぜ、と同じクラスの男子が私にそう知らせた。伊集院君、授業サボる悪い癖あるんだ。

私は伊集院君のいる屋上へと向かった。

屋上で寝そべっている伊集院君を発見する。

彼は私が来た事に対して驚きの表情を見せた。

「委員長、なんで此処に…?」

伊集院君が怪訝そうな顔で私を見つめる。

凛子や東山君には伊集院君を休み時間が終わるまでに連れ戻すから、と言った。

「伊集院君、教室に戻らなきゃ駄目ですよ」

私の言葉に伊集院君が顔を顰める。

ああ、この人絶対に授業受けたくないんだ。

そういうの全部見え見えなんですけど。

「嫌に決まってんだろ。俺、勉強嫌いだし」

「そんな事言ってないで戻ってください」

私は彼のだらっとした右手を引っ張る。

うわ、びくともしないんですけど。

「委員長、馬鹿かよ」

彼は私の手を引っ張ってその場で押し倒す。

「ええ?!」

伊集院君ってこんなに握力強いんだ…。

怪力だったんだ。

押し倒された私に伊集院君が覆いかぶさる。

何これ凄く恥ずかしいな…。

「伊集院君、どいて…」

私は自分の身体に覆いかぶさる伊集院君を退かそうとした。

「委員長、首見せてくんね?」

彼はそう言って私のシャツのボタンを三つプチプチと外した。

「や、やめて」

私の言葉を無視して彼は悪戯な笑みを浮かべた。

「首にキスしていい?」

伊集院君は私の鎖骨を指でなぞる。

彼の指の感触に思わずドキッとした。

そして彼は私の首にそっとキスをした。

私は恥ずかしさのあまり顔を横に向ける。

「委員長、本日の触れ合いはこれで終わりです。俺、授業に戻りますから」

伊集院君は私の髪に指を巻き付けながら耳元で囁く。

授業に戻ってくれるんだ。良かった。

伊集院君は私のシャツのボタンをとめながら言った。

「今度は太腿触らせてくんね?」

彼の言葉に私は顔を紅潮させる。

「絶対に駄目です!セクハラ禁止!」

「でも委員長の初キスの相手は俺だけだろ?首のほうにもしといたから委員長は俺の所有物な」

「人を所有物みたいに言わないでください!」

今日はまさに青天の霹靂みたいな事件でした。




中編へ続く


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