EX.???

 ホワイト達が奇策でもってアンデッドの群れを回避する様を、愉快げに眺める者がいた。

 「彼」はこの地下迷宮の全てを見通す「眼」を持っており、今までもホワイト達の一挙手一投足を興味深げに観察していたのだ。


 英雄アインを欠く中で、傑出した才能こそ持つが思想も異なる人々がどのように生き延びるのか……。

 「彼」の興味は主にそこにあったが、その中でもホワイトの行動は目を引くものがあった。いち早くこの地下迷宮の傾向に気付き、「正解」のルートを進み続けるその手並みは、流石は長年に渡り英雄アインを支え続けてきた「片腕」といったところか。


 この後も数々の難所が用意されている。

 ホワイトがどのようにそれを切り抜けるのか実に楽しみだ、と「彼」は一人ほくそ笑んだ。


 一方で、もう一人のアインの「片腕」たるリサが苦戦を強いられているのが、「彼」にとっては気掛かりだった。やはりグンドルフと二人だけというのは、いくらなんでも厳しかったか……。

 一考した「彼」は、無粋を承知で「ゲーム盤」に手を加える事にした。


 リサ一行には、戦力補強の為に殿、と――。

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