第27話 まともに浪漫語れません
『占星術』……星や月などの動きを見て色々なことが分かるスキル。人によっては星を操って相手に状態異常を引き起こさせたりできる。とても人間業じゃない。でも月齢が人間の体に影響を及ぼすのは本当だそうだ。満月になると精神が緊張し興奮しやすくなるし、傷からの出血量も増える。逆に新月になると血の巡りが停滞して内臓を傷めやすいらしい。まあ1年中動き回る星の上で暮らしてるんだから、そりゃ影響だって受けるよね。見上げてごらん、夜の星を。流れ星が見つかるかも。彗星かな? いや、違うな。
船上の夜は冷える。だが空を見上げると満点の星空が広がっている。町の中で見る星と違って周りに明かりが無いせいか、綺麗に見える。なんとなく眠れなくて星を見ていたら、クレアがメインデッキまで上がってきた。
「勇者様? 星を見てるんですか?」
「ああ、綺麗だなって思って」
頭上の星空を指差して俺は答えた。
「本当だ。綺麗ですね~」
クレアは嬉しそうに感想を述べた。
ああ……本当にこの子が女の子だったらいいのに。
「昔の人は星空を見て運勢を占ったそうですね」
「みたいだな。試しにやってみるか? 何座だ?」
「ウナギ座です」
「ウナギ!?」
俺はスキル『占星術』を使ってみることにした。天体の位置、星の流れ、運勢。頭の中に様々な情報が流れ込んでくる。それが一つずつ結びついていき答えが出てくる。
「よし、分かった!」
「なんと出ましたか?」
『ウナギ座のあなた。明日の運勢は中吉。仕事も恋も勉強もオールオッケー! だいたい何をやっても良い日となるでしょう。ラッキーカラーは赤。招き猫を持っていれば、さらに幸運が舞い込んでくるかも?』
答えを聞いたクレアは考え込む。
「招き猫はどこで手に入れたら良いのでしょうか?」
「つーか、これ占星術と言うより星占いだよな……」
いや、そんな事よりウナギ座ってなんだよ。
――後日――
「アタシはオクトパス座だよ」
「私はアンコウ座です」
「海産物多いな!?」
別に珍しくなかった。
―――――――――――――――――
女神への質問コーナー
Q 女神さまは何座ですか?
A 乙女座です、と言いたいところですが残念ながら星座は持ち合わせていません。神ですから。強いて挙げれば神座と言ったところでしょうか? ラーメンが食べたくなりますね。
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