第4話 好きな人

次の日

朝はいつも冬美と一緒に登校している。

教室の中に入った途端、私を押しのけて、クラスのほとんどが冬美の周りに来た。

私は、押されて倒れそうになった時、誰かが私を支えてくれた。


「おっと!

危ない。」


新田くんだった。


「あ、新田くん。

ごめん!!!」


新田くんの腕の中にいた私は、すぐにそう言うと腕の中から、離れた。


「あっ!

ごめん、ありがとう^^*」


「いや、大丈夫。

それより、怪我してないか?」


「うん、新田くんのおかげでね^^*」


「あ、あぁ...。」


彼は照れながら私に言った。

その姿は、いつも私を助けてくれていた新田くんじゃなくて、少し子供になった新田くんみたいだった。


(可愛いな〜)


心の中で、そう思った。


「そ、そう言えばさ、あれから冬美と話せたか?」


「あれから?」


「あ、あ〜〜

うん、おかげでたくさん話したよ。

でも今日もダメかもしれないな。」


「ほんとだな。」


私は、新田くんに支えられて、ドキドキしていたのを気付かないふりをして、いつもどうりに話をしていた。


「俺が、行ってこようか?」


「ううん、大丈夫。」


「そっか、頑張れよ!」


そう言って、新田くんは私の頭をポンっとさわって、教室の外に行った。

私、またドキドキしてる。さっきからずっとだよ。まさか、新田くんのことも私気になってるのかな?



授業中は全く集中できなかった。今は、4時間目。あれからまだ冬美とは話していない。

新田くんのことでもドキドキしてるし、昨日の撮影の時は、悠斗にまで、ドキドキされてたもん。授業になんか集中出来るわけがない。ずっと、考えながらノートをとっていると、授業の終わりのチャイムがなった。

冬美にお昼ご飯一緒に食べようと思って、声をかけようとした時、後ろから声をかけられた。


「あの・・・・・・

私と一緒にご飯食べませんか?」


そう言ってきたのは、いつもクラスの端にいる、私よりも地味子な平野 梨沙(ヒラノ リサ)ちゃんだった。


「えっ!」


ビックリして、声が出た時に梨沙ちゃんが、


「ごめんなさい!!!

嫌ですよね。」


と、言ってきた。でも、嫌なわけない。だって、初めて、新田くん以外のクラスの子に話しかけられたから。でも、いきなりだし、私たちに興味ないのかと思っていたから。


「ううん、全然嬉しい!!!

一緒に食べよ!」


急いで否定して、言った。


「はい!!」


それから私たちは、中庭に行って、一緒に食べた。梨沙ちゃんはいろんなことを私に聞いてきた。


「冬美ちゃんと、どこで知り合ったの?」


とか、


「学校好き?」


とか・・・・・・


「好きな人いる?」


とか。だから私は、しっかり答えた。


「冬美とは、幼なじみなんだよ。

学校は好きだよ!」


「好きな人は・・・・・・


いるよ


り、梨沙ちゃんは?」


梨沙ちゃんが、急にこんなこと聞いてくるから、慌てて聞き返した。


「いるよ、


私、悠斗くんが好きなんだ...。」


梨沙ちゃんが、頬を赤らめてそう言った。

その時、私は今まで以上に梨沙ちゃんのことがキラキラして見えた。そして、分かったんだ。恋をしている子は、すごくキラキラしていて、可愛らしいことが。

でも、悠斗のことが好きってことはびっくりした。


「実は、私a-min好きなんだ...。

学校では、目立たないけど、ずっと、好き なんだ。a-minの子たちが。

悠斗くんが。」


もっと、びっくりした。クラスで、いつも隅の方にいて、誰とも話さない梨沙ちゃんが、a-minのことが好きだったなんて。


「学校に、a-minの子が。

ううん、フユミちゃんが、同じクラスにいるなんて、すっごく嬉しかった。

でも、全く違う雰囲気で、話しかけられなかった。」


「そうなんだ...。」


「だから、私と同じような、決まったこと話してる、美湖ちゃんに話しかけたの。

しかも、フユミちゃんといつも一緒に話していたから。

でも、美湖ちゃんって、不思議な雰囲気だよね。いろんな人を引きつけるような感じかな?」


「そうなんだ〜

勇気をだして話しかけてくれたんだ。

ありがとう^^*」


いつの間にか、お弁当は食べ終わっていた。


「また、いっぱい話そうね。」


そう、梨沙ちゃんから言われて私は


「うん!」


そう答えた。楽しかったな。梨沙ちゃんは、悠斗のことが、好きなんだ...。



帰りの時間で、冬美が私に声をかけてきてくれた。


「一緒に帰ろ!」


「うん、いいよ^^*」


やっと話せるゥゥゥゥゥ!

そう思って、いつものように、話しながら帰った。相談にものってもらった。


「私ね、好きな人がわからないの。

1人は、ドキドキするけど、ひんぱんには

しないの。

2人目は、ずっと、ドキドキするけど、よ

くムカつくの。

どっちの方が好きな人なのかな?」


「うーん😓

多分、2人目だと思うよ。

ムカついても許せちゃうんでしょ?」


「うん、最後はね。」


「じゃあ、そうだよ笑

そっかぁー!

とうとう美湖も恋しちゃったか〜(·∀·)ニヤニヤ」


「もう!

恥ずかしいこと言わないで!

でも、相談にのってくれて、ありがとう^^*」


「全然、これからも楽しみにしてるよ、うふふ」


「もう!」


やっぱり、いつもの感じが落ち着くな。

今日はいい事ばっかあったから、よかった。


でも、今日も撮影の日だ。

悠斗と会うのが緊張するー!

大丈夫!

いつもと同じように接する!


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