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美術室の絵画と、桜の木から這い出した黒い蛇が、何か関連があるとしたら……。
あたしは列を抜け出し、四階の美術室に向かった。
「唐沢先輩! みんなの様子がおかしいの!」
美術室の窓から、体育館に生徒が吸い込まれていくのが見えた。
『流音は行かなくていいのか?』
「今日転校生が二十人も入ったわ。みんな不気味なくらい無表情だった。彼らが現れてから、学園の生徒がおかしくなった。まるで催眠術に掛かってるみたいに……」
『きっと……、やつらはこの学校の地縛霊だ』
「地縛霊?」
『ここに九枚の絵画がなくなったことを知り、生徒に成り済まし学園に入り込んだ。この学園を乗っ取るために……』
「どうして絵画と地縛霊が関係あるの?」
『美少女の絵画がないと、俺が奴等に手を出せないと思ったからだ』
「唐沢先輩、意味がわからないよ。だったら今すぐ絵画をここに持ってくるわ!」
『九枚では意味がないんだよ。人物画は十枚必要なんだ』
「十枚? 十枚なんてなかった。唐沢先輩ちゃんと説明して!」
『何らかの方法で地縛霊の封印を解き、やつらを呼び寄せたのは、恐らく新種のヴァンパイアだ。太陽を怖れず、人間と同様にこの世に蔓延る邪悪なもの。そいつらを倒さない限り、この学園は邪鬼に侵され、やがて家族や社会に蔓延し、この日本はやがて邪悪なものたちに支配されてしまうだろう』
「唐沢先輩……。一体どうすればいいの……」
『新種のヴァンパイアを突き止め、俺が退治する。そうすれば地縛霊の動きを封じることが出来るかもしれない』
「たった一人で立ち向かう気? 絶対に無理だよ、あたしも協力する」
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