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『それより、この騒ぎはやはり本橋の仕業か?』


「うん。鼠や蝙蝠を駆除するように先生に話すと言ってたから、きっとそうだわ」


『ハカセを殺すつもりかな』


「首筋に絆創膏が貼ってあったの。虫刺されだと言ってたけど、きっと牙の痕よ。生粋のヴァンパイアであるハカセを、学校から抹殺したいのよ」


『この学校を支配しようと目論んでいるヴァンパイアが他にいるはずだ。本橋はそいつの下部に過ぎない』


「新種のヴァンパイアのボスが、この学園いるのね……」


『いや……、もっと潜んでいるかもしれないな』


「もっと……!?」


 コンクールの人物画を描くどころではなくなった。この学園にたくさんのヴァンパイアが潜んでいる。


「唐沢先輩。あたし教室に戻ります」


 唐沢先輩を美術室に残し教室に戻ると、ざわざわと騒がしい。


「澄斗どうかしたの?」


「鼠捕りに、小汚ない鼠が一匹かかったみたいだよ。流音の餌付けした鼠じゃね?」


「嘘っ!?」


「本橋さんが捕まえたみたいだよ」


「本橋さんが……。本橋さんは今どこにいるの!」


「職員室だよ」


 まさか……

 ハカセが!?


 用意周到のハカセが、どうして鼠捕りなんかに!?


 あたしはいても立ってもいられず、急いで教室を飛び出した。

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