77
『それより、この騒ぎはやはり本橋の仕業か?』
「うん。鼠や蝙蝠を駆除するように先生に話すと言ってたから、きっとそうだわ」
『ハカセを殺すつもりかな』
「首筋に絆創膏が貼ってあったの。虫刺されだと言ってたけど、きっと牙の痕よ。生粋のヴァンパイアであるハカセを、学校から抹殺したいのよ」
『この学校を支配しようと目論んでいるヴァンパイアが他にいるはずだ。本橋はそいつの下部に過ぎない』
「新種のヴァンパイアのボスが、この学園いるのね……」
『いや……、もっと潜んでいるかもしれないな』
「もっと……!?」
コンクールの人物画を描くどころではなくなった。この学園にたくさんのヴァンパイアが潜んでいる。
「唐沢先輩。あたし教室に戻ります」
唐沢先輩を美術室に残し教室に戻ると、ざわざわと騒がしい。
「澄斗どうかしたの?」
「鼠捕りに、小汚ない鼠が一匹かかったみたいだよ。流音の餌付けした鼠じゃね?」
「嘘っ!?」
「本橋さんが捕まえたみたいだよ」
「本橋さんが……。本橋さんは今どこにいるの!」
「職員室だよ」
まさか……
ハカセが!?
用意周到のハカセが、どうして鼠捕りなんかに!?
あたしはいても立ってもいられず、急いで教室を飛び出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます