【8】吸血鬼狩りと休血騎狩り

ジュナside

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『ジュナ、心霊写真で人間どもが騒いでいたぞ』


『心霊写真? ハカセが写り込んだのか? まさかピースなんてしてないだろうな』


『アホか。ジュナでも俺でもない何者かだ』


 俺達は同時に壁に並ぶ絵画に視線を向ける。


 絵画が一斉に口を開いた。


『あらやだ。ジュナ様、私達が写り込んでいると?』


『馬鹿馬鹿しい。私達の魂が人間の写真に写り込むなんて有り得ませんわ。だって私達はジュナ様に絵画の中に封じ込められているのですから』


 俺とハカセは顔を見合せる。


『確かに、写真に絵画は写っていたが、その周辺に黒い影はなかった。黒い影は風見流音の周辺に限られていた』


『風見流音の?』


『風見流音は俺達よりも霊力が勝っている。本人は気付いてないようだが、生まれながらに霊を引き付ける磁石のような霊力を持ち合わせているのかもしれない』


『彼女が霊力を引き付けるパワーを?』


『俺達も絵画の君たちも、彼女には見えている。悪霊や地縛霊が彼女の周辺に取り憑いていたとしても不思議はない。それに彼女は俺達と親しくし、変死体の目撃者だ。悪事を考えているやからどもには、目障りな存在だ』


『この学校で何かが……蠢いている。彼女の存在が邪魔だとしたら……』


『地縛霊や悪霊は、風見流音の命を脅かすだろう』


 俺はハカセの言葉に、危機感を抱いた。俺の呪いを解く十人目のターゲット。


 それを阻止するために地縛霊が甦り、俺と親しいハカセを排除するために、新たなヴァンパイアを誘き寄せたとしたら……。

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