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 ―1年A組―


 教室に入ると、澄斗と本橋さんがべったりと寄り添っていた。


 あたしは澄斗の首筋を食い入るように見つめる。


「気持ち悪いな。何ジロジロ見てんだよ」


「べつに……」


「今日はやけに早いな。美術室に行かなかったのかよ」


「あたしが早く教室に戻ると都合悪いの?」


「何尖ってんだよ? 意味わかんねぇ。お前はサボテンか」


 澄斗はプイッと横を向いたが、首筋は少し長めの髪とシャツの襟で見えない。


「おはよう。みんな、これ見てよ」


 伊住君があたしに写真を差し出した。それは黒谷君が撮影した写真だった。


「心霊写真の撮影に成功したんだ」


「まじ!?」


 心霊写真なんて、本当に存在するのかな。


 あたしも澄斗も、クラスの生徒も集まり、写真を覗き込んだ。


 伊住君は美術室の中で撮影された写真を、机の上に順番に並べていく。


 天井や壁、ドアや窓際、美術室の様子に加え、あたしや澄斗が画を描いている写真もあった。


 一見、どれが心霊写真なのかサッパリわからないが、伊住君は自信満々に一枚の写真を指差した。


「やだ、あたしが映ってる写真じゃない。まさか、あたしが悪霊だっていうの?」


「あはは。まさか、ほら窓際見てよ。逆光でもないのに微かに黒い影があるだろ」


「これはあたしの影だよ。それとも光がレンズに反射しただけ」


「不思議なんだ。他にも風見さんの写真には黒い影が映ってる」


 まじですか!?

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