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『神川はヴァンパイアに吸血されたが……何らかの原因で、甦ることは出来なかったとしたら……』
「神川さんが? まさか……。それに本橋さんはみんなにも見えてる。本橋さんが幽霊なら唐沢先輩みたいに人には見えないよ」
『そこだよな。だから彼女は突然変異なんだよ。本橋はみんなに見えている。そして本橋は俺達も見えている。流音ちゃんが俺達が見えるみたいにな。なのに彼女は見えない振りをしている。それ怪しくないか? もしも本橋が地縛霊ではなくヴァンパイアなら、首筋に二つの傷があるはずだ。それと……本橋を吸血したヴァンパイアもこの学園に存在することになる』
「ハカセ以外にヴァンパイアが?」
背筋がゾッとした。
この学園に蠢いている何体もの幽霊や、ヴァンパイアがいるなんて……。
本当にお陀仏中学校だよ。
「あたし……確かめてみる」
『何を?』
「本橋さんの首筋に牙の痕があるかどうか……。そして彼女が本当に鏡に映らないかどうか……」
『流音ちゃんそれは危険だよ。もし彼女がヴァンパイアなら、新たな獲物を探しているはずだ』
新たな獲物!?
まさか、澄斗を狙っているの!?
それとも……
すでに澄斗は吸血されてしまったとか!?
男子はカッターシャツの襟で、首筋は見えない。
「唐沢先輩、今朝は人物画のモデルは結構です。放課後お願いします」
教室を飛び出したあたし。
澄斗までヴァンパイアだなんて、絶対あり得ないから!
そんなの、そんなの……
絶対にイヤだ!
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