【13】 入院している同級生のオシッコ介助をする
【シチュエーション】
入院中のエチカのおしっこの世話をハルがする
【舞台設定】
現実世界。病院。エチカの病室
【二人の関係と親密度】
仲の良い同級生。恋愛感情はまだない。
【個人データ】
・ハル──男、学生、10代。一般的な性格。
・エチカ──女、学生、10代。強気な性格。
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『 入院している同級生のオシッコ介助をする 』
「ハル! 早く! 早くしないと漏れちゃう~ッ‼」
入室してすぐの剣幕にハルはただベッドの上のエチカを見つめ返した。
場所は地元の市立病院──エチカの病室でのことである。
そもそもエチカ入院の理由は少し前の冬季林間学校にまで遡る。
そこでのスキー修学中、おかしな転び方をしたエチカは両腕骨折などという失態を犯したのだ。
その時にパートナーを組んでいたのがハルであり、一抹でもその責任を感じていたことから見舞いに赴くや──入室するなりエチカは冒頭の言葉を投げかけてきたのであった。
「オシッコ出ちゃいそうなのよッ!」
何のことやら分からず、小首をかしげては見つめ返すばかりのハルにようやくエチカも伝える。
「だったらトイレに行けばいいんじゃない?」
「この状態でどうやって済ませろって言うのよ!」
鋭くしていた目尻をさらに釣り上げては怒気を強めるエチカは降参とばかりに両腕を掲げる。
見ればイモムシ然に前腕を丸々ギプスに包まれたエチカの両腕は、指一本として露出していない。
なるほどこれでは何もできないわけだと納得するハルを前に、もはや苦しみに上あごを仰け反らせては痙攣を始めるエチカ。冗談抜きで限界も近いらしい。
言われる通りハルはエチカのベットの下端につけると、彼女の下半身に覆いかぶさったシーツを剥ごうとする。
が、しかし──
「待って! シーツはそのまま!」
エチカはそれを制する。
「それ取ったら、アタシがおしっこするところが全部見えちゃうでしょ!」
これまた何故を投げかけようとするハルにエチカは先んじる。
かくしてシーツの下、まさに手探り状態でエチカの介助を始めるハル。
身をのり出してシーツの中に両腕を差し入れると、その中で両手を泳がせてはエチカの腰を探る。
「あうぅッ……あんまり刺激しないでよ。……そう、そこ。ズボンと一緒でいいから下ろして」
誘導されながら患者衣のズボンを下着と共に降ろす。エチカもまた排尿に備えて両ひざを折って立てると、シーツはテントのように角ばっては盛り上がった。
「ベッドの下に尿瓶があるから、それをセットしてちょうだい。……間違っても変なところ触らないでよね!」
「変なところって?」
「だからそれはッ──うぐぅ……! あー、もう! どうでもいいから早くしてぇ……!」
いちいち注意していてはハルの手が止まる。もはや多少の無礼は仕方なしと割り切るや、エチカはハルに我が身を委ねることとした。
プラスチック製の尿瓶を取り出してくると、ハルは受け口のキャップを外してそれをシーツの中に差し入れる。
「ここらへん?」
「もっと右……違うって。アンタから見たら左ッ。……ひゃ、冷た! でも、そこ。そのままもうちょっと押し当てて……」
ようやく望む位置へとセッティングが完了するとようやくエチカも安堵する。
そして──待望の排尿をエチカは果たすのであった。
「はあぁ……♡」
限界にまで張り詰めていた膀胱が弛緩しては腹の中が軽くなっていく感覚に、なかば快感すら感じつつも排尿に興じるエチカではあったが、ふと泳がせた視線の先にハルを見止めて我に返る。
俯き加減に視線を逸らしながらエチカを見ようとしないその態度や表情には、明らかに今のこの場に対する戸惑いが見て取れた。
そしてようやくエチカもまた冷静になる。
──アタシ……アタシ、ハルの前でオシッコしてる……!
そうなのだ。よくよく考えれば今の状況は、かなりアブノーマルなシチュエーションといえる。
しかも問題はまだ残っていた。
──っていうか……アタシ、どうやってお尻拭くって言うの!?
そこのことにも気付いて愕然とする。
排尿器が外に伸びた男子とは違い、女子は排泄後にそこを清拭しなければならない。
そしてどうしたものか思いあぐねているうちに排尿が終わる。しばしそのままの状態ではいたがいつまでもこうはしていられない。
エチカもまた覚悟を決めた。
「ハル……その……終わったところを、拭いてちょうだい…‥‥」
言葉も途切れ途切れに伝える。
それを受けてハルもまた不意を突かれた驚きに表情を呆けさせてはエチカを見返した。
「拭くって……股のこと? オシッコしたところ?」
「そ、そうよ。それ以外どこがあるって言うのよッ?」
改めてハルの口からそれを告げられるとさらに恥ずかしさが込み上がった。
しかしながらいつまでもこんな不毛のやり取りをしているわけにはいかない。恥ずかしいからこそ早く終わらせねばとエチカも先を促す。
そして同時にこれの解決策も思いついていた。
「そこの小机の上にペンがあるでしょ……そこにティッシュの紙を巻き付けて」
もちろん直に触れさせるつもりはない。今も説明した通り、ペンを使って間接的に清拭をさせようと思いついたのだった。
それを受けて僅かに安心したような表情をハルも見せる。しかしながらその態度に、自分を汚らわしい物のように扱われたようで僅かに苛立ちを覚えるエチカ。
かくして排尿の済んだ尿瓶をシーツの下から取り出すや……
「うわぁ、温かい……それに真っ黄色……」
「なに見てんのよコンチキショー! 痛み止め飲んでるんだから仕方ないじゃない‼」
ハルは尿瓶をベッドの下へと片付けて清拭の準備へと移った。
言われた通りボールペンのクリップに束ねたティッシュ数枚を挟み込むと、それを回転しては捩じってとペンに巻き付けていく。
そうしてティッシュの棒を作り出すや、再びハルはそれをシーツの下に差し込んだ。
「さっきも言ったけど、絶対に変なところ触らないでよね……拭く以外のことしたら蹴っとばすからね!」
「こんなことさせといて今さら何が『変なこと』だよ……」
エチカの右脇につけたハルは手探りでティッシュ棒を旋回させる。
シーツ越しにエチカの股間と思しき部分へ下降していくと、その切っ先が弾力の感触と共に着地したのが分かった。
そこから左右に接地面をなぞらせて探るハルの手先に、こそばゆさを感じて息を震わせるエチカ。
そうこう弄っていると、やがてティッシュ棒の先はストンと窪みへと落ち込んだ。
その感触に「ここだ!」と確信してはティッシュ棒で突き穿つハルの頭を、
「うひゃああああぁぁッ!? どアホ! ヘソよそこは‼」
エチカのギプス越しのツッコミがハルの頭を直撃する。
『んぎゃあッ!』
同時に痛みの声を発する二人。
「もうちょっと下だってば。ラインはそのままでいいから、そこからゆっくり下に行って」
気を取り直してハルのティッシュ棒が動き出すと、そのゆっくりと焦らすような動きにエチカも胸の奥が疼く感触に見舞われる。
──なんかドキドキする……
すぐ目の前で真剣なまなざしでシーツ越しの局部を凝視している男子(ハル)の姿に、エチカは『羞恥』とはまた別の感情もまた湧き出していることに気付く。
一方でゆっくりと進んでいたハルのティッシュ棒は、突然に平地から落ちて手応えを失った。
その感覚にもしかし、そこが目指すべき到達点であることを知っていたハルはすぐさまそこの断崖へと棒の筒身を押し付ける。
予想通りにティッシュ棒が隆起の溝に埋まる感触にハルも安堵のため息をつく。
「今度は正解?」
「ん……うん。じゃあ上下に動かして」
芸に成功した子犬のように期待の視線を投げかけてくるハルの微笑みに耐えかねてエチカも視軸をずらす。
かくしてハルは清拭を開始する。デリケートな部分に触れていることの認識もあってか、ハルの動きはどこまでも小刻みで、そして優しかった。
派手に接地面を擦りつけるような真似はせず、棒の表面積を大きく使って押し付けてくるそんな動きに……
──あ……なんか、変な感じ……
エチカは別な感覚もまた胸の内に生じるのを感じていた。
その矢先、
「こんなもんかな? エチカ、もう大丈夫?」
ふいに掛けられるハルの言葉に両肩を跳ね上がらせる。
しかし即座に、
「ま……まだよ。まだ拭き切れてないってば」
エチカは反射的に行為の続行を指示する。
今行われていることは恥ずべき行為であり、早急に済まさなければならないものであるにも関わず──エチカはさらにこれを続けてほしいを欲していた。
「もっと……もっと上下(うえした)に動かして。強くこすっていいから」
「そうなの? じゃあ痛かったら言ってね」
一方でそんなエチカの変化に気付かないハルは健気にも奉仕の続行に頷く。
言うとおりにハルがティッシュ棒を繰ると、今度は明らかに違った感覚がそこに生まれていた。
──な、なにこれ……ッ? 自分で拭いてた時にはこんなのならなかったのに……!
ハルの動きへ呼応するように心音は高鳴り、さらには行為の行われている一点に感覚が集中していくのが分かる。
未知のそれに僅かばかりの恐怖も覚えたが、むしろそれは更なる好奇心を湧きたてる呼び水──未知の感覚はさらにエチカを昂らせた。
「もっと……ハル、もっと押し付けて! 上の方にぐりぐりってして……!」
「……エチカ、大丈夫? なんか具合悪そうだよ?」
「大丈夫だから……! だから、もっと強くして……!」
斯様に息を荒げながらの指示に不安を覚えつつもハルは棒の角度を変える。エチカの胸寄りに倒して角度を鋭くすると、ティッシュ棒はスリットの上端部一点に接地を集中させる形となった。
「んひぃッ♡ ……あ、ああぁ……あぁッ!」
今やそこにて感じる全ては、『快感』としてエチカの脳内を駆け巡っている。よりそれを強く貪ろうと、自ずから腰を浮き上がらせては好みの強さと角度を得ようと躍起になる。
やがてその時が来た。
──なにこれ……おかしくなる……頭おかしくなっちゃう……!
突き抜けるような高揚感への予感が胸の内に沸いた。そして期待するそれを得ようと、ハルの施しへ意識を集中させると、さらにエチカは感覚を研ぎ澄ませていく。
「ハル……ハルぅ……あぁ、ハル……!」
そして肉体の高まりが頂点へと達した瞬間──
「はんぅぅ………ッ♡」
エチカは一際強く身を硬直させた。
隆起のなだらかな胸を仰け反らし、顎も突き上げては幾度となく痙攣すると──やがては脱力してベッドに沈み込む。
「……本当に大丈夫? トイレの時っていつもこうなの?」
短距離を走り抜けたかのように小さく息を弾ませるエチカを尻目に、ハルもおずおずとシーツの中から手を抜く。
摘み上げては目の前に晒したティッシュ棒は、滴るほどに水分を吸収してすっかりやせ細っていた。
「拭けた……のかな? じゃあ、ズボン上げるよ」
「…………」
再びシーツの中に両腕を差し込んでは元通りにズボンと下着を上げてくるハルを、事後のエチカはだた茫然と見守るばかり。
やがて、
「……ハル、明日も来なさいよね」
そう告げると、それに反応して顔を上げてくるハルに対してさらにエチカも続ける。
「そもそもアンタと組んでて怪我したんだから、アタシの世話をするのは当然よね」
「アレは調子乗ってバク宙なんかしようとしたエチカが悪いんだろ?」
「シャラップ! ……ともあれ、明日もまた来なさいってば」
強引に制すると、明日もまたハルに会えることが嬉しくなってエチカには満面の笑みが浮かぶのだった。
「明日はもっとすごいんだから。……覚悟なさいよ♪」
「ウンコ?」
「だアホ!」
再びエチカはギプスの右腕でハルの頭をどつく。
そして再び、二人は互いの身に走る痛みへ身悶えるのであった。
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