【14】 海外ホームステイ先の子を押し倒す
【シチュエーション】
海外ホームステイ先の子を押し倒す
【舞台設定】
現実世界。海外(北米の何処か)
【二人の関係と親密度】
友情以上の感情にはお互いに気付いている
【個人データ】
・ハル──男、学生、10代。日本人。一般的な性格。
・エチカ──女、一般人、10代。欧米人、ナイスバディ。母性的な性格。
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『 ホームステイ先の女の子と一線を越えちゃう 』
やってしまった……一線を越えてしまった。
昔から後先考えない俺はいつも事後に後悔ばかりしている。
今だってそうだ。両手を床の絨毯について荒々しく組み敷いたその下には……エチカがいた。
遡れば一年前──ホームステイ先において知り合った時からもう、俺は彼女に心奪われていた。
初めてこの家を訪れた時、エチカはほぼ裸と見紛わんばかりの恰好で庭の草花に水やりをしていた。
明らかにサイズ違いであろう丈の短いシャツの中に窮屈そうに詰められた、頭よりもデカい彼女の両乳房──『胸元が開いている』程度では済まされないレベルのそのシャツは、衣類というよりは既に『下着』といった装いである。事実、下乳を襟の淵から零れ出させた姿は、乳首だけが辛うじて隠れているといった感じだ。
そんな露出の強い服装は下半身についても同じで、こちらはホットパンツのクロッチが完全に尻の割れ目に飲み込まれ消失してしまっていた。
斯様な危うい布面積の状況は前においても同じで、こっちに至っては局部の割れ目を辛うじて隠しているといった体である。
今日日、イメージビデオ向けの水着だってもう少し被覆面積が多いことだろう。幸いだったのは彼女が毛深くなかったということぐらいか。
件のホットパンツではヘソから下腹部……ぶっちゃけると恥丘あたりまでが丸々露出されている。この服装を見越して処理をしているのか、それとも生来薄いのか、もし一般人並みに恥部の茂みが生え揃っていようものならば、エチカのヘアは隠されることなく『丸出し』となっていたことだろう。
これが俺達の初会であった。
前述の通りの恰好で水やりをする彼女に俺が見惚れるやら慌てふためくやらする一方で、当のエチカはというと別段恥じ入る様子もなく微笑んで挨拶をしてくれた。
斯様に派手な格好の半面、エチカ自身は母性と慈愛にあふれる性格だった。
そのギャップに当時の俺の困惑はさらにその度合いを増した。もしかしたら異常者であるのは自分で、なんてことの無い恰好の彼女に俺だけが勝手に興奮しているのではないかと疑ったくらいに、エチカの振る舞いは穏やかでそして落ち着いたものだった。
そんな出会いを始まりに、俺の此処における一年間のホームステイは始まったのだった。
移住前に知らされていた情報では彼女以外の同居人として祖父母夫婦が共に在住しているということだったが、あいにくと祖父がこの直前に入院を果たしそれに付き添う形で祖母もまたこの家を離れていた。
移り住んでから一週間目の時にエチカに付き添われてその見舞いに伺ったが、病床で聞かされたのはこの一年間のホームステイを彼女と二人きりで過ごしてほしいというものだった。
これには困惑した。
控えめに見ても美人であるところのエチカと暮らせることに不満はないが、『二人きり』という状況に関しては話が別である。
こんなエチカを隣にして一年間も理性を保っていられる自信が無い……。
もっともそう聞かされた時は、このホームステイ自体が中止せざるを得ないと思っていた。
しかしながら事態はエチカとの同棲に話が進んでしまった。
老夫婦曰く、あの家の周囲に頼れる隣人がいない事や、さらには妙齢の女性が一人きりで一年間を過ごさなくてはならない事への不安があった。
そんな時の男(オレ)の出現はまさに渡りに船という状況であった。
他人とは言え、事前のホームステイ契約で身元がしっかりしている人間である──これ以上にうってつけの人物はいなかったのだろう。
かくして俺は数度の辞退と懇願のやり取りの末、エチカと暮らすことになった。
それからの一年というものはまさに艱難辛苦の365日であった。
先の祖父母の説明にもあった『周囲に頼れる人間がいない』の説明からも分かる通り、この家の周囲10数キロには凡そ民家らしきものは無かった。
娯楽などテレビとラジオ、そして日々の植物の世話以外に何もない場所において、俺と彼女は始終離れることなく共に過ごした。
エチカの服装は先のシャツとホットパンツ以外にもきわどいものが多く、彼女曰く『ここ数年で急に発育が良くなってしまったことから、全てが寸足らずになっちゃった』とのことだった。
とはいえ『着用することは出来るし、周囲に人目もいないことから着続けているのよ』──と、どこか得意げに語るエチカを前に『俺はその「人目」にはカウントされないのか?』と疑問に感じたものである。
しかしながら彼女と過ごした一年間は何とも楽しくて、そして暖かいものであった。
思い遣りと察しを備えたエチカは実に献身的に俺へ尽くしてくれたし、一方で俺もそんな彼女や託してくれた夫妻を失望させまいと、この家における『男の役割』を真摯に果たした。
その中で徐々に俺とエチカは、互いの心の距離が縮まっていくのを感じていた。
信頼は友情へと変わり、やがて友情は愛情へと昇華した。
とはいえしかし、互いこの心地良い関係に変化が生じることを恐れた俺達は極力『男女』を意識せずに一年間を過ごしてきた。
しかしホームステイ最後の一週間となったこの日──その均衡は俺の手によって崩された。
エチカは一年前と同じ、あのシャツとホットパンツのいでたちで俺の前に現れた。
そしてその姿たるや、去年よりもさらに肉体の豊満さと魅力に磨きがかかった姿であった。
それを確認した瞬間──一年越しの忍耐はついに限界を迎えた。
そこから今に至る数瞬を俺は思い出せない……気が付けばエチカを押し倒していた。
両手をついて組み敷く彼女は、ただ驚いたといった表情で俺を見つめていた。
言葉が無かった。
生来の臆病者は、欲望の発作に瞬発力はあっても持続力が無い。
こともあろう俺は、エチカを押し倒した直後には正気に戻ってしまったのである。
「あー……」
場を繕おうとしたのか、それとも後悔がため息となって漏れたのか、俺は一息唸るや何も出来なくなっていた。
一方のエチカはといえば依然として俺を見つめたままだ。
直視できず視線を僅かに外す俺──時折り目の端で盗み見るエチカの表情は無表情に近かった。
怒っているのか、はたまた失望しているのか……閉じた口角を上げも下げもしないその表情から彼女の感情を読み解くことは難しかった。
やがては俺も覚悟を決める。
謝ろう──そう思った。
そして予定よりも一週間早いが、早々にここを出ることを決めた。
今後の段取りとしてはエチカの祖父母も数日以内に帰ってくることになっている。今さら数日俺が居なくなったところで、すでに俺の役割などはここに残っていない。
そんなことを考えながら謝罪の二の句を繋げようとしたその瞬間──突如として俺の視界が塞がれた。
何が起きたのか分からなかった。
混乱と同時、柔らかく暖かい何かが顔を覆うがゆえの視界の喪失であることにも気付く。
ミルクを思わせるような甘い香りと、そして夏も最盛期ゆえの汗ばんだほのかな体臭には目で見る以上の覚えがあった。
後ろ頭には両腕が組まれるかのごとくに抱き回されている……俺はいま、抱きしめられてエチカの胸の谷間に頭を押し込まれていることにようやく気付いたのであった。
次いで、
「これで終わりだなんて……言わないで」
掛けられる彼女の言葉に今度は俺が目を丸くした。
依然として抱き固められている胸元から辛うじて顔を上げると、その先には泣きそうに微笑んでいる彼女の穏やかな笑顔があった。
「少し前からあなたのことを好きになってた。きっとそれはあなたも同じだと分かってたよ。でも怖かったの……」
そう言って口ごもるエチカの二の句を、
「……もし自分だけの勘違いだったら、この幸せな関係と生活が終わってしまう。大好きな人と離れなければいけなくなる」
その心を見通したかのように継ぐ俺に、ようやく抱き留めていた力が緩んだ。
なんだか気が抜けた。
彼女もまた同じ気持ちだったのだ。
あの生活の中で感じていた愛情に間違えは無かったのだ。
そのことをいま互いが確かめ合えた俺達の次の行動はもう決まっていた。
再び視線を絡ませるや、示し合わせたかのよう俺達は深くキスをした。
何度も小首をかしげては、互いの鼻先をこすり合わせるかのように深く熱く口づけを交わす。
依然としてキスを交わしながらエチカの襟元に手を忍ばせるや、その中に納まれていた乳房は水があふれるが如くに弾け出た。
求めてやまなかったその全容を確認し、そしてその体温を十分に掌で堪能する。
やがて二人の唇が離れるや、
「最初はリビング(ここ)でいいよ……もう少ししたら、あなたの寝室に行こう?」
エチカはそう微笑んで再び俺を抱いた。
俺も応える代わりにその胸元へ顔を埋め、今日まで求めてやまなかった彼女の乳房と愛情を思う存分に受け止めるのだった。
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