第2話

私は片付けをしながら海を眺めていた。


きれい…


そう言えば海なんて初めて見たかもしれない


家族とは来たことないしおばあちゃんの家にも小さい時に来た以来で覚えてないし…


ん?なんか下が賑やかな気がする。


誰かお客さんが来てるのかな?


私には関係ないと思って片付けを続けていると階段を駆け上がる足音が聞こえてきた。


その時ドアが勢いよく開き私がびっくりして固まっているとそこに居たのは同い年ぐらいの息を切らした男の子だった。


え、誰?


私が混乱して固まっているとその子は近づいてきて私を抱きしめた。


ちょっ…え…本当何?


頭が混乱してるなか私はその彼を押した。


「あ、あなた誰ですか?」


身体が震えながら私は勇気を振り絞りながら聞いた。


「俺のこと覚えてないの?」


覚えてないのって私は初めて会ったんだけど。


「俺は結衣に会いたかったんだけど」


私がきょとんとしているとおばあちゃんが階段を上ってきた。


「こら慶吾、結衣ちゃんを困らせるんじゃないよ」


慶吾?この人慶吾って言うんだ。


「俺柊慶吾、ずっと結衣に会いたかった」


私に会いたかった?こんな私に?


「小さい時に会ったことあるんだよ、結衣ちゃんと慶吾」


私と彼が?全然覚えてない


「結衣は俺の初恋だから」


そう言って笑った顔があまりにもキラキラしてて眩しかった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る