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 今日からの三日間は午前中に数学の夏期講習が入っている。そのために一時間半くらいいないこととなるのである。

 部活に行ってからは冷蔵庫にある使用済みの液の処理に当たった。つまり中和したということである。今日はpHメーターが使えたので試薬を入れる、というわけではなくただ中和をしていくだけだった。中和するために塩基を加えていくのだが、値が一瞬大きく変わってもだんだん小さくなっていく。そんなこんなの繰り返しでどれだけ入れても同じところにまで戻ってきてしまうということが何故だか多く起こった。スターラーを使っているので均等に混ざっていないことはないのでメーターに表示される値とにらめっこしながら液を加えていった。

 良いくらいのところにまで中和を終えるとビーカーには食塩水とは思えない白色沈殿があった。最初は食塩が溶解していないだけかと思ったが、亜鉛イオンが元々溶けていたのでそれと水酸化物イオンの塩が白色沈殿であったことを思い出してろ過してそれを取り除いた。実際このろ過という作業が意外と面倒で時間も思う以上にかかってしまった。

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