3

 初日からの電車停止で朝から混乱していた昨日と異なり、今日は何の問題もなく学校に行くことが出来た。学校の最寄り駅で部活の先輩に会った。軽く二三言喋って別れた。

 今日は課題テストが一時間目にあり多少分からない問題があって未だに心配である。午後に行われた委員会と係決めでは男女共に一人ずつ所謂学級委員と言われるホームルーム委員を出さなければいけなく女子は早い段階で名乗りを上げてくれたが男子はあまり早くはでなかった。中学の時も女子は雨海純がでてくれたが、男子はあまり出てこず先生からの実質の指名で皆が後ろを振り返りやるということになった。高校でその二の舞は嫌だと自ら手を挙げてやることにした。そのときにクラスメイトに振り返られた時の光景が中学の時とほぼ変わらず前向いて、と個人的には思った。その後、一緒に委員会をすることになった人と共に他の委員会や係を先生が驚くほどのスピードで決め終えた。

 まだ部活動に正式に入ったわけではないのだが、部活が行われている化学室に行くと数名一年生の姿が見受けられた。化学室に入ってすぐに昨日いた先輩方が声を掛けてくれ、説明を受けている一年生とは別に二三年生がいる場所に行った。昨日は三年生は一人だけしかいなかったのだが、今日はその他に四人ほどいた。三年生の先輩に何でここに入りたいのとかその他色々なことを聞かれた。皆優しい人ばかりでやはりこの部活は良いなと改めて実感させられた。説明を受けていた一年生が説明を終えて帰路の道を歩み、先輩と僕一人といった状況になった。

「よし、人狼しよう!」

三年生の先輩の一人がそう声を上げた。周りにいた先輩たちもその意見に同意をして人狼をするということになった。三回やったのだが、さすが鬨俵トキワ高校である。今までやったことがないほど頭を使わされるものとなった。その人狼中に純からラインが来た。部活には入らないという話を聞いていたが、部活にはいるとのことだった。何の部活なんだろうと聞いてみると男バレのマネージャーをするということだった。あまり男子だらけのところに自ら飛び込んでいくイメージがなかったため、まず驚きが出てきた。その後に冷静になって考えてみるとドラマ等でよく見るマネージャーと部員が恋愛をするのが出てきて嫉妬に近い気持ちになった。ただ、だから入るなと言えるわけでなく様子を見守ることしか出来ない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る