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 朝からまさかの電車が止まった。鉄道会社によると保安装置の点検だそうだ。しかしそんな通勤・通学のタイミングに行うのだろうか。元々、駅で止まる前に十分程度駅よりも前で止まったので駅で止まったときに放送されたアナウンスで止まると聞いたときに“また止まるのか”と思った。その駅のアナウンスから約一時間後に運転が再開された。登校時間は八時四十分であったが、その時間が運転再開した時刻と被っていて高校に到着したのはそれから遅れること五十分近く遅れた九時半だった。一時間目で予定されていたものは生徒の登校状態などを考慮して時間を押して授業が行われた。相当ぎゅうぎゅうに詰め込んで三時間分を二時間で行われた。

 放課後には興味のあった理科系の部活に話を聞きに行ってみた。実験等が自分の欲求にあわせて出来るものの生物部という肩書きを持っており理科の中ではあまり好きとは言えない生物は、と思って話を聞くと全然問題ないとの回答を戴き実験器具を見せて貰った。これはこういう名前でこういうことが出来る等を聞いていくうちに自分の体の奥底にある何かがマグネシウムのように燃焼した。自分はここに当てはまっているのではないかとふと思った。その後、一年生での活動をホワイトボードを用いて説明された。その話を聞けば聞くほどマグネシウムの燃焼する白い光のようなものが自分の体から発されているように感じた。すべての説明を終え、先輩たちと雑談をしているときに他の部活と比べてうちはホワイト部活、あそこはブラック部活とか様々なことを笑顔で語るという先輩たちを見ていると心が浄化されていくようなそんな心地になった。その場で僕はこの部活に入ろうと心を決めた。先輩たちの後輩に対する熱い心はしっかりと受け取ることが出来た。体験入部の初日に部活を決めるというのは中学の時もそうで何か中学時代を思い出す部分があった。先輩たちとの雑談の中で皆が口を揃えて英語は注意した方がいい、中学の内容でほぼ変わっていないのにあれ比較級って、となってしまうよとアドバイスをいただきしっかり胸に留めて高校生活をしようと思った。

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