第6話 秘密の場所



 ──ガチヤ


 扉が開く音と同時に風が春哉に向かって吹いた。


「目、開けていいぞ」


「え……! ここは入れるの?」


 目を開けた先、そこは屋上だった。


 普段は一般生徒は入れないはずだ。


「まあ、コネを使って借りたんだ」


 秋翔は屋上の鍵指に引っ掛けくるっと回してみせた。


「……なんか秋翔ってすごいね」


「よし! お昼食べようぜ! あ、このことは内緒だからな!」


「わかった」


 二人で屋上のフェンス側に移動し座った。


「はい、メロンパンとカレーパン」


「ありがとう。お金も……ありがとう」


「どういたしまして!」


「美味しい!」


 春哉はメロンパンにかぶりついた。


「美味いな!」


 二人は夢中で二つのパンを頬張った。


「……なあ、最近さ」


 二人ともパンが食べ終わり、秋翔は、そこまで言うと一旦止めた。


「……最近?」


「……元気ないけど何かあったか?」


「あ……えっと」


「話しにくいことなら……別に言わなくていい。……ただ最近ここ、シワ寄ってるからさ」


 秋翔は眉間を指さした。


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