魔物

蝮が何十匹と透明のケースに

うごめき

隣のケースには 大きなヒルが

沢山這いつくばっている


私は万能の血清をつくるために存在し

また自分でどの存在にも

直接触れてはならない

また きっと出来ないであろう


噴火直前の火口に 座して待っていたり

海底一万米で重圧に耐えていたりは

誰にでもできる訳わけではないのに

それを最終目的としたら どんな努力で

やり遂げる事ができるのか

考えなければならないと

義務づけられている自分が哀れだ


時間不足にびくついて

おびえた目玉をギョロつかせ

まがった鼻で死臭をかごうとし

最終的に血清を作り出しても


魔物は どんどん

強くなるばかりでは ないのか




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